研究課題/領域番号 |
07278103
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 孝雄 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80127092)
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研究分担者 |
工藤 一郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (30134612)
宮崎 純一 大阪大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10200156)
渋木 克栄 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40146163)
貝淵 弘三 国立奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (00169377)
河西 春郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60224375)
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キーワード | 血小板活性化因子 / プロスタグランジン / ノックアウトマウス / 低分子量Gタンパク / 無脳回症 |
研究概要 |
本研究班ではグルタミン酸受容体刺激以降の細胞内のプロセスがいかに神経可塑性を形成し、神経機能のいかに関与するかを明らかにするために、本年度は次のような成果を上げた。 (1) 各種のノックアウトマウスの樹立、解析と遺伝的純化。 細胞質型ホスホリパーゼA2、PAFアセチルヒドロラーゼ、プロスタグランディン受容体、PAF受容体、またGFAPのノックアウトマウスが班員の手で、作製された。このうち、アストロサイトの細胞骨格タンパクであるGFAPのノックアウトマウスでは長期抑圧が消失し、瞬目反射に欠損が見られることがわかり、グリア細胞が小脳の可塑性に関与している可能性が示された。プロスタグランディン受容体欠損マウスで痛み反応や発熱反応に障害が起こること、また、ホスホリパーゼA2欠損マウスで陣痛発来に障害がくることなどがわかった。PAF受容体欠損マウスは予想に反して、長期増強などは正常に保たれていた。 (2) PC-12細胞とその変異体(PC-12-27)を用いた開口放出の解析より、神経型SNAREタンパクがカルシウム依存性放出に必須ではなく、シナプス小胞を細胞膜へ集積させ放出確率を上げる因子であることが確認された。 (3) 低分子量Gタンパク質の一つであるRhoの下流分子を解析し、成長円錐の形態形成、あるいはRhoキナーゼ下流にコラプシン関連タンパクがあることが明らかとなった。 (4) 無脳回症の遺伝子と考えられるPAF分解酵素の神経細胞への分布、また、発生過程での発現パターンなどのスイッチングが明らかとされ、血小板活性化因子の神経発生への関与が示唆された。また、小脳での長期増強に一酸化窒素が重要な役割を果たすことが示された。
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