研究分担者 |
五十嵐 道弘 群馬大学, 医学部, 講師 (50193173)
谷口 寿章 藤田保健衛生大学, 医科学研究所, 助教授 (10257636)
阿部 輝雄 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (50010103)
八尾 寛 東北大学, 医学部, 教授 (00144353)
桐野 豊 東京大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (10012668)
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研究概要 |
(I) シナプス小胞associated protein (1) シナーフィン(コンプレキシン)とシンタキシンの相互作用によるシンタキシンの立体構造の変化が伝達物質の放出に必須であることを証明した。(阿部) (2) 微小管結合タンパクの一つMAP1Bのリン酸化はシナプス形成に必須であるが,そのリン酸化部位は数十カ所に及び,そのいずれもが機能未知ドメインに集中していた。 (谷口) (3) PKCを活性化するフォルボルエステル投与により伝達物質の遊離が著しく増大されるが,それはPMAにより小胞と形質膜との融合確立の増大によることがわかった。(八尾) (4) 軸索成長円錐はCa非依存的なエキソサイトーシス機構を持ち,それを促進するrab3Aサイクリング機構はシナプス成熟に従って発達するものであることが分かった。(五十嵐) (II) associative learning (1) 1995年までに,我々は連合学習によって増加し,PKCによりリン酸化を受けて電位依存性Kチャンネルのコンダクタンスを低下させる水溶性低分子量タンパクcp-20(20kD)を見出し,その構造を明らかにしたが,本年はこれに加えてもう一つの低分子量タンパクp25a(分子量20kD)を発見した。このタンパク分子は通常のショウジョウバエではドーパミン刺激によりリン酸化が大いに促進されるが,代表的な3種類の学習・記憶突然変異ではDA刺激によるリン酸化の促進は全く認められなかった。(吉岡) (2) ナメクジの連合学習の中枢である「前脳」と呼ばれる部位の神経伝達物質の探索を行った結果,それはアセチルコリンであることが分かった。(桐野) (3) 学習に伴ってラット脳に発現する遺伝子を確定した。この遺伝子のホモログ遺伝子は線虫,マウス,ヒトにも見出されることから記憶に係わる重要な役目を担っている可能性がある。(桐野)
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