研究課題/領域番号 |
07280102
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
郷 信広 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50011549)
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研究分担者 |
木寺 詔紀 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00186280)
桑島 邦博 東京大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70091444)
輪湖 博 早稲田大学, 社会科学部, 教授 (60158607)
中村 春木 生物分子工学研究所, 情報解析研究部門, 部門長
油谷 克英 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (90089889)
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キーワード | 蛋白質 / 立体構造 / おれたたみ / 安定性 / 構造予測 / デザイン / ダイナミックス / 構築原理 |
研究概要 |
4年の研究期間で始められたこの特定領域研究全体の目標は、「蛋白質のアミノ酸配列に立体構造と機能に関する情報がいかに書き込まれているか」を、生物進化的および物理化学的観点の両面から明らかにすることであった。 本特定領域研究発足時には、蛋白質立体構造の基本型が1000個程度の有限な数に限られるとの見通しの下に、立体構造未知のアミノ酸配列を既知の立体構造に乗せ、その適合性を判定することによって立体構造予測をすると言うプログラムが想定された。この4年間の研究の結果は、この問題が実はかなり複雑であることを明らかにした。まず立体構造の基本型への分類を客観的に行う努力がなされ、その結果いろいろな構造レベルで緻密に解析を進める必要を明らかにした。適合性判定の基礎となる安定性評価関数に関しては、経験的関数に関しても、安定性の実験的研究によって得られた物理化学的基礎を持つ関数に関しても、多くの知見が得られた。しかしそれにもかかわらず、立体構造予測という実用的な目標に関しては、じわじわと進歩はしているものの、快刀乱麻とは行っていない。蛋白質分子は、構成要素が複雑に影響しあって高次の生物的状態を作り出しているという意味で、細胞や生態系と同様に一つの生物世界を構成している。われわれはこの4年間の特定領域研究を通して、実はこの様な複雑な性格を持つ生物世界へのアプローチのプロトタイプを作ってきたのであろう。 その様な最先端の研究を組織できたことと同時に、本特定領域研究は、我が国のこの分野の研究の活性化に大きな寄与をした。年1回開いてきた本特定領域研究主催の公開ワークショップには、400人を超える参加者があり、200件を超える一般ポスター発表が行われた。特に多くの若手研究者が生き生きと発表・議論に参加した。
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