Rex/Revによるトランス活性化では、核小体移行シグナル/RNA結合領域とロイシンモチーフ/活性化領域の2つが必要不可欠である。Rex/Rev-mRNA複合体の細胞質移行に関わる活性化領域に特異的な結合をする細胞質タンパク質を、Molt-4細胞よりRex/Revの活性化領域ペプチドを用いたアフィニティークロマトグラフィー法にてそれぞれ単離精製した。2つの活性化領域結合タンパク質は分子量18kDaで、微量エドマン法による内部アミノ酸配列の解析より、ともにプロサイモシンα(ProTα)であることが明らかになった。ProTαが感染細胞内のRex/Revと生理条件下で結合することも抗RexN'IgG/抗RevM IgGを用いた免疫沈降により確認することができた。ProTαの一次構造上の特徴は、N'/C'-両端のリシンに富む領域と中央部のグルタミン酸ストレッチ領域にある。N'/C'-端領域のリシン残基を化学修飾することによりRex/Revへの結合が消失することを見出し、活性化領域結合における重要性を明らかにした。また、ProTα中央部のグルタミン酸領域が、核小体移行シグナル/RNA結合領域への結合タンパク質であるB23/SETと相同性をもつこともわかった。
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