研究課題/領域番号 |
07283102
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 正幸 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40114706)
|
研究分担者 |
松本 邦弘 名古屋大学, 大学院理学研究所, 教授 (70116375)
西田 栄介 京都大学, ウイルス研究科, 教授 (60143369)
岸本 健雄 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (00124222)
佐方 功幸 九州大学, 理学部, 教授 (80142024)
|
キーワード | 減数分裂 / 分裂酵母 / アフリカツメガエル / ヒトデ / 卵成熟 / MPF / MAPキナーゼ / RNA結合蛋白質 |
研究概要 |
1.減数分裂の開始機構につき次のことを明らかにした。(1)分裂酵母における減数分裂制御因子Mei2(RNA結合蛋白質)は、減数分裂開始時に不活化されるPat1キナーゼの主要な標的である。Pat1キナーゼによりリン酸化されるMei2の二つのアミノ酸残基を同定した。それらのリン酸化部位をアラニンに置換した変異型Mei2を分裂酵母内で発現させると、有糸分裂周期にある細胞が減数分裂を開始した。(2)減数第一分裂に先だち、Mei2蛋白質は核内の定まった一カ所に点状に集合する。その位置は、従来知られている核オルガネラとは重ならない。 2.減数分裂周期の制御については以下のことが明らかにできた。(1)アフリカツメガエルの卵成熟における減数分裂の再開は、プロゲステロン刺激により少量のMosおよび他の蛋白質の合成・活性化が起こり、まずMAPキナーゼ経路に依らずに一部のpre-MPFが活性化される。次いでこのMPFがフィードバック的にMosの合成・活性化を引き起こしてMAPキナーゼ経路が活性化し、MAPキナーゼ経路がMPFの最大活性化をもたらすというループが存在する。(2)MAPキナーゼ経路のMPFの活性化をもたらす際には、MPFの阻害因子を不活化するステップが重要である。ヒトデ卵ではwee1様因子をMPF阻害因子として捕まえた。 3.受精と減数分裂周期の関連を調べた。卵成熟後にG1期に停止しているヒトデ未受精卵では、cdc2キナーゼ活性は消失しているが、MAPキナーゼは高い状態に留まっており、受精に伴ってその活性が低下する。MAPキナーゼ活性を抑えると、受精しなくてもDNA合成が開始することを前年度明らかにしたが、その逆に、MAPキナーゼ活性を高く維持すると、受精してもDNA合成は起こらないことが証明できた。従って受精はMAPキナーゼ活性の低下を介してDNA合成を誘起すると結論される。
|