研究課題/領域番号 |
07283104
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
長濱 嘉孝 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (50113428)
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研究分担者 |
井上 邦夫 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス科学科, 助手 (40252415)
小林 悟 筑波大学, 生物科学系, 講師 (90225508)
松居 靖久 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (40241575)
西宗 義武 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (80029793)
阿部 眞一 熊本大学, 理学部, 教授 (90109637)
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キーワード | 生殖細胞 / 始原生殖細胞 / 精子形成 / 卵形成 / 性分化 / 極細胞 / 体細胞 / 減数分裂 |
研究概要 |
ウナギの精子形成誘起ホルモンとして同定された11-ケトテストステロンの受容体cDNAクローンをウナギの精巣cDNAライブラリーより単離し、その全塩基配列を決定した。また、種々のGl/SサイクリンcDNAをウナギ精巣からクローニングし、そのうちA2、D2、E1、E2サイクリンmRNAが生殖腺刺激ホルモン処理1日後の精巣(精原細胞)で発現した。一方、A1サイクリンmRNAは生殖腺刺激ホルモンの処理数日後の精巣中の第一次精母細胞にはじめて出現したことから、A1サイクリンと減数分裂との関連が示唆された。(長濱) ヒトのインシュリンがイモリの精原細胞の増殖と減数分裂の開始を促進することを器官培養系で明らかにするとともに、これらのインシュリン効果はセルトリ細胞の混在率に比例して高まることを再構成培養系で示した。従って、インシュリンはセルトリ細胞に作用し、精原細胞に減数分裂を開始させる因子を分泌させることが示唆された。(安部) Calmegin遺伝子を欠失するマウスでは、個体の発生や精子の形態・数に異常はみられないが、卵子の透明体と結合できない精子が作られることを示した。また、分子シャペロンCalmeginnが正常な精子の分化に必須であり、このCalmeginの基質蛋白質が未だ不明である精子と卵の受精に必要な分子であることを示唆した。(西宗) マウスの始原生殖細胞の形成に必要な特異的環境は、原腸陥入が始まる半日前の6.0日胚のエピブラスト上端部に位置する細胞同士の相互作用によって形成されることを明らかにした。(松居) ショウジョウバエの極細胞の分化過程に、NanosのみならずPumilioと呼ばれるタンパク質も関与することを明らかにした。また、極細胞の分化過程を制御する新たな遺伝子としてIndora (Idr)を単離するとともに、極細胞中におけるIdr遺伝子の発現は、極細胞を取り巻く中胚葉の細胞により誘導されることを示した。(小林) ゼブラフィシュでvasaホモログ遺伝子(zvh)を同定するとともに、zvh遺伝子は、(1)成体で生殖腺のみに発現すること、(2)精巣と卵巣で性特異的スプライシングがみられること、(3)初期の胚発生過程では生殖系列の細胞のみで発現すること、が明らかとなった。(井上)
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