研究課題
総合研究(A)
本年度は9月からの実施だったため、会議の召集は、3部会で5度開催のみとし、現地の研究分担者を中心に現地被災調査とその後の調査資料や収集資料の整理に、コンピューター導入を充実するようつとめた。来年度収集整理予定の資料には、画像資料も含まれることから、画像データを扱えるコンピューターを研究分担者4ケ所に配備し、すでに、コンピューターによる資料整理を開始した。建築および設備災害の現地調査では、神戸市立博物館、兵庫県立近代美術館、大谷記念美術館、芦屋市立美術館、白鶴美術館で、調査を行った。神戸市博では、災害対策工事にまだ取りかかれない事情、一部ドライエリアでの液状化現象、地下講堂への浸水により夏期間に天井部で見られたカビ発生など、災害後の2次的な影響が確認された。兵庫県近代美術館では、不均質コンクリート壁が観察されるなど、災害後でないと明らかにされにくい、建築の品質が問題化している。設備被害については、263件の状況を記録し、一覧表としてまとめている。展示ケース免震装置については、日本国土開発社による実験の見学を行った。第3部会では、兵庫県教育委員会からも出席者を得て、資料収集を進めているが、分担者による被害調査は6回に分けて、40件を行い、現在資料整理中である。アメリカ、カナダで出版された、災害対策マニュアルの収集は、終えて、一部資料翻訳を済ませ、文化財等の種類毎の対応策の記述が、日本に適応可能かどうかの検討をしている。