研究課題
総合研究(A)
本研究は、学術論文を対象とする、文献抄録型データベースと引用索引型データベースを組織的に検索して、学術研究活動を反映する各種の統計値を析出し、その国際比較を試みるものである。平成7年度には、文献抄録型データベースによる、分野別、国別、年次別の収録論文数の長期的動向を調査した。すなわち理学、工学、医学の各分野について、国際的に有力な4種のデータベースでの収録論文数を、1976年から1993年までの各年別に、29の分野区分において検索して集計した。調査対象国は、日本、米国、英国、フランス、ドイツ、ロシア(ソ連)、カナダの7ケ国である。学術情報センターでは、同種の調査を昭和62年度に実施し、結果を公表したが、その後10年近くを経た現時点での状況を把握するため、今般、ほぼ同様の枠組みで再調査を行った。前回の調査では、1985年現在で、わが国の論文数は理学、工学、医学の各分野を通じて、殆どの分野で米国についで第2位、または米国、ソ連に次ぐ第3位になっており、また1976年から85年の間での論文数増加率は、7ケ国中最大であることが明らかとなった。今回の調査結果によれば、1976年から93年の間を通じて、同様の趨勢が維持されているが、わが国の論文数が85年以降も順調な伸びを示す一方で、ソ連の解体に伴い、ソ連(ロシア)の論文数の低落が著しく、1993年現在では、わが国は、医学の3分野を除いて、各分野で米国に次ぐ第2位となっている。この間、世界の論文に占めるわが国の論文の割合(占有率%)は、多くの分野ににおいて、70年代では1桁であったものが、90年代では2桁になり、2倍を越える増加の分野もあって、平均して1.7倍の増加を示している。これら統計に関する詳細な分析は継続中であるが、統計値自体を早期に公表するため、11.研究発表・図書欄に掲げる冊子を刊行した。
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