研究課題/領域番号 |
07301010
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応募区分 | 総合 |
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
和氣 典二 東京理科大学, 経営学部, 教授 (20125818)
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研究分担者 |
清水 豊 筑波技術短期大学, 教授 (50231733)
藤田 尚文 高知大学, 教育学部, 助教授 (10165384)
和氣 洋美 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (80122951)
鳥居 修晃 聖心女子大学, 文学部, 教授 (50015012)
平野 邦彦 宇都宮大学, 工学部, 助手 (10241845)
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キーワード | 低視力 / 先天盲開眼者 / 全盲者 / 奥行き距離 / occlusion foil / 見やすさ / 視覚的探索 / 触探索 |
研究概要 |
昨年度に続き、形・空間の認知機能が充分でない低視力者、先天盲開眼者、全盲者などの各種視覚障害者が外界をどのように知覚/認知しているかについて検討した。低視力班では、低視力状態をシミュレーションするため、occlusion foilと等価なフィルタを制作する目的で、occlusion foilを透過して撮影した画像とぼかし画像のSN比最小化の方法を検討している。低視力者が作業をしたり、歩行をしたりするときを想定して白地の色視標と黒地の色視標を用いて、色の見やすさを調べた。その結果、黒地の色視標の方が白地の色視標より見やすいこと、明度の近いもの同士で混同が生じることが示された。また、種々の大きさのボール2個の相対的な奥行き距離の場合、ボールが大きくなると、正確さが低下するという結果を得た。また、低視力者の視覚的探索実験では、90x90個のひらがな文字を8x8個の窓に表示し、テスト文字を探索させた。それによると、視力が低下するほど、150個のテスト文字のうちクリックした回数の達成率は視力が低くなるほど低下した。先天盲班では、主観的輪郭線が観察されるか否かを検討した。その結果、初めは誘導図形の局所的な形態を知覚するに留まっていたが、観察を続けるにつれて、局所的形態を連結的に探索し始めるようになったが、奥行きと明るさの変位の知覚は不安定であった。全盲班では、触覚による奥行知覚の基本的知見を得るため、昨年度に続き、三次元形状のうち窪みの触探索を晴眼者に行わせ、視覚的には深く見えるにもかかわらず、触覚的には浅く感じるという結果を得た。目下、触覚的にわかりやすい曲面を規定する条件を調べている。触覚でも主観的輪郭線が観察されるかを明らかにするため、主観的報告を手がかりにして、視覚のそれと比較した。その結果、触覚においても視覚と似た知覚印象が観察されたが、感性的かという点で同じとはいえないことを示した。また、3次元物体を刺激として使用するため、ソフトプログラムを作成した。全盲者が情報端末に表示される画像やグラフィックにどの程度適応することができるかを明らかにするため、前年度作成した装置を用いてアイコンを探索させた。その結果、画面上のアイコン位置を触覚で補償すると、かなり効果があることが明らかとなった。
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