研究課題/領域番号 |
07301012
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
田中 宏二 岡山大学, 教育学部, 教授 (00087983)
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研究分担者 |
上野 徳美 大分医科大学, 医学部, 教授 (50144788)
久田 満 東京女子医科大学, 看護短期大学部, 助教授 (50211503)
松崎 学 山形大学, 教育学部, 助教授 (20132516)
古城 和敬 大分大学, 教育学部, 教授 (00145351)
山田 富美雄 大阪府立看護大学, 看護学部, 助教授 (50183687)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | ソーシャル・サポート / サポート介入 / 精神的健康 / ストレス / ストレス免疫反応 / がん患者 / 学校適応 / 高齢者 |
研究概要 |
本研究は、平成7-9年度の3年間に医療、教育、地域場面において、ストレス・危険的状況にある人々に、社会的支援による計画的介入を行い、健康と安寧を防御する手だての基礎分析と適用方法を総合的に明らかにした。 まず平成7年度は、社会的支援介入のための基礎資料を得ることを主眼とし、予備的実験や基礎調査を主として4班(実験臨床・医療臨床・教育臨床・地域臨床班)に分かれて調査・実験を行った。翌年の平成8年度は、医療臨床・教育臨床班がそれぞれ医療臨床1・2、教育臨床1・2に分かれ合計6領域となり、社会的支援介入計画の実施とその効果測定を行い、一定の知見を得た。そして平成9年度は最終年度に当たり、3年間に得られた知見についてのまとめを行い、報告書を作成した。その結果は次に記す通りである。 (1)実験臨床班(タイプA者のストレス免疫反応性からみた予防指針)では、タイプA者のストレス反応性にサポートが抑制的に働き、タイプB者では逆に促進的に働き、サポートとタイプA行動特性とが相乗的・相互作用的関係にあることが分かった。(2)教育臨床1班(不登校児へのサポート介入)では、学校不適応の問題を抱えた児童を1週間の合宿に参加させ、そこでのサポ-ティブな介入と親に対する親教育プログラムを通して親子関係に介入。その結果、親子関係の改善と学校での適応が認められた。(3)教育臨床2班(教師の勇気づけサポートによる児童の学校適応の変容)教師の勇気づけサポートの実践によって児童(小学4年35名)及び学級集団全体がどのように変容するかを追跡的に検討。学級対応質問紙を3回実施し、抽出児(3名)の面接から教師や学級に対する態度構造を測定した。その結果、学級全体では「級友との関係」などが肯定的に変化した。(4)医療臨床1(癌患者におけるソーシャルサポート)では、某大学病院放射線科に通院中の乳癌患者6名を対象として、1)リラクゼーション、2)フォーカシング、3)エンカウンター・グループから成る心理学介入(1セクション2時間、毎週1回合計7回)を行い、気分プロフィール検査(POMS)による効果測定を行った。その結果、介入前後で6人中4人において否定的感情の改善が見られ有意傾向を得た。(5)医療臨床2(看護者へサポート介入)では、看護者の研修会を活用したサポート・ネットワークの構造を促進する短期介入実験(講義方式と集団討議)を行い、集団サイズの小さいグループ参加者ほどネットワーク満足度が高く、バーンアウト症状の改善がみられた。(6)地域臨床班(高齢者への社会的支援介入)では、高齢者67名の配食サービスによる介入(公的サポートとしての配食・訪問ボランティアと私的サポートとしての家庭・近隣サポート)の精神的健康への効果を検討し、訪問ボランティア・サポートの孤独感軽減への効果がみられることが分かった。
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