研究課題/領域番号 |
07301015
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 総合 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
藤原 武弘 関西学院大学, 社会学部, 教授 (20033706)
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研究分担者 |
神山 貴弥 広島大学, 学校教育学部, 講師 (00263658)
田中 共子 広島大学, 留学生センター, 助手 (40227153)
南 博文 九州大学, 教育学部, 助教授 (20192362)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 物質的自己 / 大切な所有物 / 物質主義尺度 |
研究概要 |
本研究の目的は、個人の所有している大切な物を測定することで、物質的自己の構造と機能を明らかにすることにあった。本研究では、環境移行事態における適応過程の中で、大切な所有物がどのような意味や機能を果たすのかについて、小学生、大学生、留学生、養護老人ホーム老人病院の入院患者を対象に調査を行った。大切な所有物を「何かを行うための道具、身体によって操作するAction Object(AO)と「熟考の対象として意味を持つもの」としてのContemplation object(CO)に分けた場合に、性差に注目してみれば、男性は女性に比べてAOが多い。逆にCO占める比率は女性に高い。また発達差でいえば、大学生になるに従いAOの割合は低下するが、COの割合は一定である。とりわけ、小学生の男子にAOの占める割合が高いのが特徴である。また大切な所有物の意味としては、AOは有用性、COは、思い出の意味カテゴリーと関連していることが明らかになった。更に留学生を対象とした大切な所有物の適用機能についての研究では、その種類としては、本(辞書、雑誌)、衣類、パスポート、カード、金といった、有用性に関係したAOが多いという特徴が見られた。こうした結果から、大切な所有物は、留学生が新環境において適応してゆく過程で、現実生活を送るための手段や効用という側面で大きな役割を果たしていることが明らかになった。入院患者を対象として調査では、生活必需品や享薬品の割合が高いこと、老人ホーム老人の場合には、大切な所有物があるもの割合が低いことが明らかになった。加えて、物質的自己の個人差を測定する、物質主義尺度を開発し、その妥当性と信頼性を検討した。
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