研究課題/領域番号 |
07301021
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
河村 望 東京女子大学, 文理学部, 教授 (60086923)
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研究分担者 |
飯島 伸子 東京都立大学, 人文学部, 教授 (20010019)
近藤 敏夫 仏教大学, 社会学部, 専任講師 (70225621)
迫田 耕作 愛知大学, 短期大学部, 助教授 (30211270)
寺田 良一 都留文科大学, 文学部, 教授 (00163923)
渡辺 欣雄 東京都立大学, 人文学部, 教授 (90103209)
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キーワード | 近代化 / 生活倫理 / 宗教 / 日本文化 / 地域統合 / 文化統合 |
研究概要 |
今年度は、昨年度におこなった調査の資料の整理・分析のうえにたって、新たに、北海道の大雪山周辺および十勝川流域の民俗学的調査をおこない、さらに沖縄、近江で補充調査をおこない、それとの関連で和歌山県の和歌山市で民俗学的調査をおこなった。 その結果明らかになったことは、わが国における地域的文化統合は、少くとも20万年〜30万年前に、11の村落の連合というかたちでみられ、その時期に日本語、日本文が形成されたとみることができるということである。はじめて、そのような統合がなされた地域は、北海道および東北であり、それは十勝川、十和田湖という地名のなかにも示されている。また、このような地域統合は、文化統合であり、十一面観音像のような仏教の形成と不可分の関係にある。観音は女性であり、三十三観音霊場の形成は、泥婚図の拡大を意味するものであった。山苗から絹糸をとり絹布をつくる機械もかなり早くから使用されていたといえる。 日本社会の近代化は、明治以降にみられたのではなく、近江商人にみられるように、少くとも幕末においてみられたのであり、その活動をささえていた生活倫理としては、浄土真宗などの宗教があったのである。
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