研究課題
総合研究(A)
平成7年度は研究費が第2次配分で年末近くに交付決定を見たので、時間のゆとりがなかったが、おゝむね当初予定の通りに目的を達したと考えている。(1)各分担研究者によるボーリング的調査としては、予定通り6地域を対象としてとり上げた。それは室蘭市、六ケ所村、釜石市、北九州市、水俣市、嘉手納町である。これらはいずれも現代日本の地域社会のあり方の問題性を、それぞれに集約して体現している典型的な市町村であり、その予備的なサーベイによって、多くの理論的かつ実践的な知見を得ることができた。(2)期せずして室蘭、釜石、北九州は、新日鉄工場が立地していた、いわゆる企業域下町であって、その中核企業が弱体化するに対応して、地域社会がどうその運命に取り組むか、という問題がテーマであり、そこからは企業の社会的責任のあり方が問われている。3都市それぞれに、実に真剣な取り組みが見られ、高い評価が与えられてよい。(3)他の3地域では、核燃施設、水俣病、基地と、地域社会の最大の問題をめぐって生活過程が展開している。これらの打開なくして、日本の都市的様式は安全たりえない。特殊現代的なア-バニズムの焦点があることが認識される。15EA05: (4)年度末に全点研究会をもち、8年度のスケジュールについて一応合意に達したが、具体的には新年度をまってつめて参りたい。
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