研究課題/領域番号 |
07301028
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小林 甫 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (90002146)
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研究分担者 |
田中 夏子 長野大学, 産業社会学部, 専任講師 (30257505)
新原 道信 横浜市立大学, 商学部, 助教授 (10228132)
広田 康生 専修大学, 文学部, 助教授 (60208890)
松岡 昌則 秋田大学, 教育学部, 教授 (70111242)
小内 透 北海道大学, 教育学部, 助教授 (80177253)
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キーワード | 現代市民社会 / 生活価値 / 価値変容 / 青年教育 / 生涯学習 / 内発的発展 / 教育社会史 / 多元的文化 |
研究概要 |
本研究は、現代市民の「生活価値」観の変容、を教育社会学的・教育社会史的に把握することを目的としている。研究者の布置状況から見て本研究の主体となる前者・教育社会学的研究においては、本年度は、一方に農山村の秋田県山本郡藤里町、新興の工業集 積地域である群馬県太田市(および周辺)という、"聚落性"の差異を念頭に置いた調査、他方で東京都と神奈川県(川崎市・横浜市)における"トランス・ナショナル"な関係に着目した調査を行った。 藤里町で特徴的なことは、町役場を中心とする"産業おこし"の苦闘-とりわけ新しい技術の移植・導入という職業的リカレント学習型の障害学習の課題-の中から、ようやく町役場の外に"人材"を見出しつつあることである。中卒・地元就業者ないし高卒・県外就職Uターン者が、その担い手である。 他方、群馬県太田市は、群馬・栃木・埼玉という行政圏域を越えて、大手電機・自動車工場を中核とする、広域な労働市場が成立している。それは、労働市場の構造は、「地域『労働市場』」と「『地域労働』市場」との複合である。前者は、大卒のホワイトカラー、後者は地元就業者である。 しかしながら、トランスナショナルな関係における人の移動の構造は、これらとは異質である。かかるエリアでは、異なる出自・生活様式・言語・文化を持つ個人・集団が、まさに「混住」し「凄み分け」ているのであるが、そこには伝統的なナショナルと革新的なトランスナショナルとの「生活価値」をめぐる諸対抗が在る。-日本社会における《等質性と異質性》に関わる根元性が、「地域社会」の諸状況、そこでの「市民」の「生活価値」を揺さぶっているのである。
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