研究課題/領域番号 |
07301028
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 総合 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小林 甫 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (90002146)
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研究分担者 |
新原 道信 横浜市立大学, 商学部, 助教授 (10228132)
広田 康生 専修大学, 文学部, 助教授 (60208890)
松岡 昌則 秋田大学, 教育学部, 教授 (70111242)
大沼 義彦 北海道大学, 教育学部, 専任講師 (70213808)
小内 透 北海道大学, 教育学部, 助教授 (80177253)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 現代市民社会 / 生活価値 / 価値変容 / 青年教育 / 生涯学習 / 内発的発展 / 教育社会史 / 多元的文化 |
研究概要 |
わが国における「生活者」(「常民」「庶民」「市民」)の「生活価値」の有り様は、柳田民族学によって対象とされ、その後「日本農村社会学」が現状把握に努めたが、後継の「戦後日本家族社会学」、また「戦後日本労働社会学」は、生活構造-社会構造に内在する生活価値-社会価値の問題から次第に遠ざかっていった。本報告書「序論」は、その経過と今後の展望を歴史的に考察し、「日本」農村社会学の基礎的な視座の、社会の基礎構造(産業構造-分化構造-生命構造)の国際的な変容過程の下で再生させる必要を述べた。 こうしたことを共通の課題として、第一に、国際化の中の地域的差異に着目した。桜井論文はタイの日系企業に働く工場労働者のアイデンティティ形成を「生活文化」との関わりで捉え、新原論分は首都圏ヨコハマに暮らすトランスボーダーなホモ・モーベンスたちの生活価値に焦点を当てた。小内論文は日系人の集住する北関東太田市における学校間・社会階層間の格差と高校生・その親の生活価値の差異を実証した。間瀬論文は国際文化遺産ブナの里・秋田県藤里町を対象に地域住民にとっての「自然」の意味を問うた。 第二に、経済困難地域である北海道を対象に、地域社会再生の展望を、中小企業を軸とする地域労働市場の主体的構造の側面(上原論文)、および「地域-学校-スポーツ」の相互関連による生活文化の活性化の側面(大沼・鈴木・前田論文)からそれぞれ論じた。これらに見られる新たな動向が、学校教育の再生と基礎的に関わりをもつが、そのためには第三に、学校の文化的構造(「教師-生徒」関係と「子ども-ふた親」関係の複合)の実態把握が不可欠である。加藤、島田、小林の3論文は、漁村地域の中学校を対象に、子育てと母親の生き方、中学校2年生のもつ教師イメージと家庭環境、教師の〈教育の仕事〉と〈自己の人生〉に〈懸ける思い〉を扱い、それらの間の“乖離"を示した。
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