研究課題/領域番号 |
07301030
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
浅沼 茂 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30184146)
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研究分担者 |
星野 洋美 常葉学園大学, 教育学部, 専任講師 (50267845)
宮腰 英一 東北大学, 教育学部, 助教授 (50166138)
赤堀 侃司 東京工業大学, 教育工学開発センター, 教授 (80143626)
石坂 和夫 岐阜教育大学, 教育学部, 教授 (20099906)
加藤 幸次 上智大学, 文学部, 教授 (00000084)
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キーワード | グローバル教育 / カリキュラムの再編 / タキソノミー / 認知 / 情意 / 運動 / 技術的合理性 / 国際教育 |
研究概要 |
本研究は、現在、日本の学校のカリキュラムが国際化に向けて、全体としてどのような方向で、どのよう形をとるか、多様なバースペクティブを探り、そのデータベース開発の可能性を探るものであった。データベースとは、カリキュラム多様な領域における知識を分類整理し、タキソノミー化された枠組みの中で知識を項目化するものである。それは、すでに、アメリカのブルームなどが、カリキュラム目標のタキソノミー作りにおいて、行動目標を主体に作成してきた。本研究では、特にこのような行動目標によらず、国際化という枠組みの中で、どのような枠組みづくりが可能であるのか、検討したものである。ブルームのタキソノミーでは、認知、情意、運動というような領域区分であった。これは、カリキュラムにおける伝統的な分類である知育、徳育、体育というような分類を踏襲している。このような伝統的なカリキュラムの分類は、現代の教育環境とは、およそかけ離れている。この分類枠は、カリキュラム再編の大枠を決める重要な問題である。カリキュラムのグローバル化は、社会科の一つの領域再編ではなく、全体に関わる問題であり、それは、例えば、1960年代のアメリカのカリキュラム改革運動とそれに対する批判勢力が提案してきた、枠組みが重要である。例えば、ヒューブナ-は、技術的、科学的、政治的、美的、倫理的というような新たな枠組みによるカリキュラム再編を唱えている。これは、技術的合理性が優位に立つ、近代のカリキュラム実線に一定の枠をあてはめ、美や倫理が同じレベルにたつことを明らかにしたものである。このような枠組みは、さらに、現代においては、人種や民族対立の問題が前面に出てきて、多文化教育の主張が先鋭化してくることにより、新たな枠組みを必要とするようになっている。カリキュラムの再編に向けてのカリキュラムのグローバル化は、このように新たな段階を迎えるようになってきた。それは、社会科の一つの領域ではなく、カリキュラム全体に関わる総合学習を必要としており、総合学習的な展開がカリキュラム再編の在り方の重要なカギとなる。このようなカリキュラムの枠組みに関わる議論を報告書として成果をまとめている。
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