研究課題
本年度、本研究は「大学教授法の開発」を担当する第1班、「大学カリキュラムの改善と教育内容・教材の『精選』を担当する第2班、「大学教育評価システムの開発」を担当する第3班の構成で研究を実施した。第1班は、国内外の文献収集・分析を行うとともに、大学卒業生を対象とするアンケート調査を実施し、教え方・教材の選び方など各学問分野の知識を体系的に教授するさいに有効なシラバスや授業モデル等の調査を行なった。卒業生にとっては、現在有効と考えている、大学で得られた「もの」は、学部(専門領域)により年度毎に異なるものであること。例えば医学部における大学教育改革によると思われる教育効果の有効性認識の上昇、文学部における高くない程度に一定した有効性認識等である。こうした有効性認識の変化の要因については更なる検証を必要とする。この他第1班では、公開実験講義を1年間にわたって開講し、どう講義をVTR・4分割記録システム等の機器を用いて記録.分析し、事例的かつ実践的な授業分析を集団的に検討した。第2班は、学部内外におけるカリキュラム編成と調整の在り方の実態調査、文献分析を行なった。そこにおいては、学術研究の高度化は、学生たちに狭い領域での専門性を賦与するにすぎず、広い教養に基づいて、それらの専門性を操作し、行使していく力を必ずしも保障していない。4(6)年一貫教育は重要ではあるが、そのもとでいかに最高学府に学ぶにふさわしい教養を学生に保障するかは早急に検討してしかるべき課題である。またこうした大学教育課程をめぐる問題は、現在各大学で進められている大学院の重点化の中でより深刻な問題となっている。つまりそこにおいては、大学院での教育内容まで視野に入れた有機的な連関を持った教育課程が求められる故である。第3班は、ドイツ、フランスを中心とする外国の大学評価報告書の収集分析を中心にして検討し、非アメリカ型(記述型)評価の在り方を追求した。
すべて その他
すべて 文献書誌 (4件)