研究課題/領域番号 |
07301037
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研究種目 |
総合研究(A)
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
松平 信久 立教大学, 文学部, 教授 (70097228)
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研究分担者 |
山崎 準二 静岡大学, 教育学部, 助教授 (50144051)
佐藤 学 東京大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (70135424)
鈴木 そよ子 神奈川大学, 経営学部, 助教授 (60202131)
前田 一男 立教大学, 文学部, 助教授 (30192743)
寺崎 昌男 立教大学, 文学部, 教授 (20062573)
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キーワード | ライフ・コース・スタディー / 教師の力量形成 / ライフヒストリー / 信州教育 / 師範学校 / 教師教育 / 戦後新教育 / コ-ホ-ト |
研究概要 |
昭和24年に長野師範学校を卒業したコ-ホ-トを対象として、教師の力量形成過程の追跡をアンケート調査によって実施した。対象者174名に対して回答者は73名、回答率は42.0%である。アンケート調査の実施に先だって、長野県教育史の専門家2名の方から戦後の同県の教育の歩みについて聞き取りを行った。またパイロット・スタディーとして、コ-ホ-トの中の2名の方からに、ライフヒストリーに関する詳しい聞き取りを行った。 本調査の対象者は戦時中に幼・少年期を送り、師範学校在学中に戦後を経験し、戦後新教育のスタートの時点で教職についている。その後の約35年間におよぶ教職生活は、敗戦から昭和後期までの、社会・経済・文化・教育・日常生活などのあらゆる分野で激しい変化が生じた時期と重なっている。このようなコ-ホ-トの教師としての成長や変化の要因や特質は何かと追及することが本研究の目的である。また先に我々が行った昭和6年卒業コ-ホ-ト対象の調査結果との比較も重要な視点である。回答内容の分析は現在継続中であるが、現時点での知見は以下のとおりである。(1)師範学校時代の敗戦の経験はその後の教職生活に大きな影を投げ掛けている。しかし、その受け止め方や実践への影響は個人差が大きい。この経験の意味付けや影響については、今後予定されている聞き取り調査でさらに深める必要がある。(2)戦後の教育行政上の変化は、教師にも大きな影響を与えているが、中でも勤務評定の実施およびその導入をめぐっての混乱や対立が学校の性格を大きく変えたとする回答が多く見られた。(3)従来言われてきたいわゆる「信州教育」の特質は弱くなっており、教師の研修の機会や内容にも変化が見られる。(4)教職生活後期に遭遇した登校拒否や校内暴力などの体験は、このコ-ホ-トの教育観や教師観に大きな変化をもたらす契機となっている。
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