研究課題/領域番号 |
07301039
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
煎本 孝 北海道大学, 文学部, 教授 (50124227)
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研究分担者 |
佐藤 知己 文学部, 助教授 (40231344)
池谷 和信 国立民族学博物館, 第一研究部, 助手 (10211723)
岸上 伸啓 国立民族学博物館, 第一研究部, 助教授 (60214772)
一ノ瀬 恵 富山大学, 人文学部, 助教授 (90223106)
大島 稔 小樽商科大学, 言語センター, 教授 (00142787)
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キーワード | 周極地域 / 北方文化 / シャマニズム / アニミズム / 文化復興運動 / 牧畜文化 / 狩猟文化 |
研究概要 |
本研究は周極地域文化における言語、生態、世界観の現在における実態の把握とその比較を通して、いかに伝統文化が変化し、維持されるのかという文化動態を明らかにするものであるが、本年度(平成9年度)は、平成7年度および8年度の研究成果をもとに、平成9年4月、11月、および平成10年3月に共同研究会を開き、それぞれ分担する文化(アイヌ、北方アサパスカン、コリヤ-ク、チュクチ、イヌイット、モンゴル等)に関する比較分析、総合討論を行った。 その結果、過去から現代に至る社会変化に対応する文化の変化と継続の動態が明らかとなった。特に、伝統的世界観であるアニミズムと動的制度としてのジャマニズムが文化復興運動の核として機能していること、さらには、「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」に見られるような文化振興のための法的整備がなされるに至ったことが明らかになった。 また、研究遂行上に生じた学術的問題として、従来の学術用語(たとえば、ジャマニズム、アニミズム)の再検討が行われ、諸文化の記載と分析に照らして再定義することができた。したがって、北方ユーラシア、日本、北アメリカという広範な地域を含む周極地域諸文化に関する言語、生態、世界観という多様な視点からの学際的、総合的研究により、北方諸文化の動態を明らかにするという当初の目的が達成された。その上で、本年度は当該研究計画の最終年度にあたるため、報告書の作成を行った。
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