研究課題/領域番号 |
07301043
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
森 安彦 国文学研究資料館, 史料館, 教授 (30020613)
|
研究分担者 |
渡邊 尚志 一橋大学, 社会学部, 助教授 (10192816)
笠谷 和比古 国際日本文化研究センター, 助教授 (90124198)
丑木 幸男 国文学研究資料館, 史料館, 教授 (60223525)
高木 俊輔 国文学研究資料館, 史料館, 教授 (90022186)
鈴江 英一 国文学研究資料館, 史料館, 教授 (30259999)
|
キーワード | 史料管理 / 組織構造 |
研究概要 |
1.高山町会所・戸長役場文書(高山市郷土館蔵)の調査を、1996年1月16〜20日の日程で行った。約1,500点の史料を整理し、本研究に必要と思われる史料の撮影を行った(約1,200コマ)。 2.飛騨郡代高山陣屋文書(岐阜県歴史資料館蔵)の調査を、1995年11月27日〜12月1日にかけて行った。本文書群は既に整理済みであるので、本研究に必要な史料の撮影を大量に行った(約10,800コマ)。 3.高山町会所・戸長役場文書の約3000件のデータベースを作成した。 4.1996年2月27日に国文学研究資料館において研究会を開催した。出席者は13名。以下の報告が行われた。(1)大友一雄「『飛騨群代高山陣屋文書』調査報告」は、寛政前期における高山陣屋の組織改革により、地役人の日記・御用留の作成のされ方が変化することを指摘するとともに、弘化2年の群代交代に際しての事務引継文書である「演説書」を分析して、史料の作成・管理・引継の実態の一端を明らかにした。(2)渡辺浩一「高山町会所文書の史料『管理』と原秩序」は高山町会所の性格を陣屋の出先機関としての性格が強いものと仮定し、惣町の会所に保管される史料は日記・願書留などを除いては些末な史料であり、また町年寄文書の下位の位相に町組頭文書の存在が確認されるものの、高山町方の史料管理においては町年寄の主導性は明白であるとした。(3)丑木幸男「近代的史料管理秩序の形成」は、高山町会所・戸長役場文書に残された明治6から33年にかけての22点の引継目録・管理目録を概観し、明治6年に町年寄保管文書と町会所保管文書が合体したこと、明治11年に町ごとの分類が戸口・営繕などの主題分類に変更されたこと、明治17年までは引継目録に近世文書が登録されていること、明治33年までは史料の選別が行われていないことなどを指摘した。討論のなかでは、三報告に見られた出所論的アプローチだけではなく、機能論的アプローチも新しい史料学を構築するためには必要であるとの意見が特に重要であった。
|