研究課題
総合研究(A)
当初は、短歌、俳句、詩、小説などの明治以降に創作された文学資料のデータベース化を予定していたが、追加採択で、研究の着手がおくれ、限られた期間内での作業となったため、明治期に発行された新聞に掲載された短歌と琉歌の資料の収集・研究とデータベース化をおこなうことに主眼をおくことにした。短歌と琉歌は共に短詩型の文学で、短歌が五七五七七の31文字の文学であるのに対して、琉歌が八八八六の30文字の文学であり、同じ時期に創作されながら、表現形式、および表現手段(日本語か琉球方言か)のちがいがある。そのことが表現内容にどのような影響を与えているか等、比較検討することによつて明らかにできるものと思われる。また、短歌や琉歌は、詩や小説などの文学資料と異なり長さが一定しているので、まず手始めにデータベース化するのにも最も都合がよい。明治以前につくられた琉歌については『琉歌全集』(島袋盛敏著)や『南島歌謡大成・沖縄偏(下)』(外間守善編)、などがあり、研究者はこれを参考にして研究をすることができるが、明治以降の琉歌や短歌については利用できる資料がなかったので、今年度はその資料収集とデータ入力に多くの時間と労力を要した。明治期に沖縄で発行された「琉球新報」については琉歌と短歌の入力作業をほぼ完了しつつある。入力に際して、(1)本文、(2)作者名、(3)結社名、(4)題、題詠、(5)当座・兼題、(6)選者、点者、(7)判定・評価、(8)開催日、(9)掲載紙、(10)掲載日、(11)掲載号、(12)コラム名、(13)備考などのインデックスを付し、さまざまな観点から検索できるようにした。八重山地方での資料収集を行ない、石垣市立図書館、石垣市史編纂室などに保管されていた文学関連資料の目録をつくり、今後の研究にそなえる作業を行なった。
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