研究課題/領域番号 |
07301056
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 総合 |
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大村 益夫 早稲田大学, 語学教育研究所, 教授 (80063569)
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研究分担者 |
藤石 貴代 新潟大学, 人文学部, 講師 (20262420)
波田野 節子 県立新潟女子短期大学, 国際教養学科, 助教授 (50259214)
白川 豊 九州産業大学, 国際文化学部, 教授 (00179045)
芹川 哲世 二松学舎大学, 文学部, 教授 (40216552)
三枝 壽勝 東京外国語大学, 朝鮮語学科, 教授 (50128021)
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キーワード | 近代朝鮮文学 / 近代化 / 植民地 / 左翼文化運動 / 基督教 / 社会主義リアリズム / 廉想渉 / 金東仁 |
研究概要 |
朝鮮の近代文学にあらわれた日本との関連様相をできるかぎり具体的な資料によって多様な角度から明らかにすることを目的とする本共同研究において、2年目に入った今年度は、昨年度おこなった資料発掘収集を継続しつつその整理を開始し、最終年度である来年度に予定されている論文執筆にそなえた段階ということができる。 12月に行われた打ち合わせ会では、各自がそれまでの資料調査結果をもちよって、来年度執筆予定の論文についての中間発表をおこなった。まず藤石から金斗鎔の在学時代の学校資料の紹介と、現在までにまとめた作家および作品年譜の提示があり、つぎに芹川が田栄沢の学籍簿と成績表を紹介して、最近韓国で刊行された同作家の全集の年譜が未整備であることを指摘した。つづいて波田野が、藤島武二に私淑したという金東仁の経歴には疑問点が残るが両者の絵画論に共通する要素があることを述べ、白川は廉想渉の長編小説にみえる日本について、いくつかの作品を具体的に分析した結果を発表した。最後に大村から尹東柱の詩草稿と蔵書リストの紹介、および草稿と既刊詩集との差違の指摘がなされた。一見各自の研究のもちよりのようであっても、こうして複数の作家と作品を同時に扱うことによって、個別的な研究ではあらわれにくい日本と朝鮮との関連様相が見えてくるのではないかという、本共同研究の目的と意義が再確認された。来年度は7月に最終的に論文の進抄状況および問題点を話し合う会をもち、年度内に論文集を刊行する予定である。 なお本研究の一環として研究代表者の大村は、昨年度、研究協力者の季相範とともに「『満鮮日報』文学関係記事索引」を作成刊行したが、今年度は布袋敏博の協力をえて「朝鮮文学関係日本語文献目録-1882.4〜1945.8-」を作成刊行した。
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