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1995 年度 実績報告書

ホワイトヘッドプロセス思想の現代的課題

研究課題

研究課題/領域番号 07301058
研究種目

総合研究(A)

研究機関早稲田大学

研究代表者

遠藤 弘  早稲田大学, 文学部, 教授 (90063544)

研究分担者 花岡 永子  大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (70148378)
武田 龍精  龍谷大学, 文学部, 教授 (60081048)
村田 晴夫  桃山学院大学, 経営学部, 教授 (20061400)
山本 誠作  関西外語大学, 外国語学部, 教授 (40026737)
田中 裕  目白学園女子短期大学, 助教授 (70197490)
キーワードプロセス / 有機体 / 文明 / 環境 / 調和
研究概要

平成七年度においては、分析哲学者デイヴィドソンの出来事論がホワイトヘッドの現実存在の理論に極めて近いことを確認した。相互に差があることはいうまでもないが、後者の理説を補足しうる多くのものを前者の哲学が有しているといえることが判明した。例えば、デイヴィドソンの根本的翻訳は、人間の言語活動とホワイトヘッド流の象徴的関わりとのほぼ中間に位するものであって、有機体の哲学を日常的なレベルで繙く際の有力な手がかりになる。さらに、デイヴィドソンの出来事の定義はホワイトヘッドの指示的感得の没主体性を理解する手だてとなる等々。
また、ホワイトヘッドが自らの基本概念の一つとしている現実存在の概念を解明するに当たって、現象学者の生ける現在の所説を参考にしうるということも理解されたが、ホワイトヘッドにおける超体の概念は極めて個性的であり、現象学的方法をもってしては決して捉えることができないであろうという予測を立てるにいたった。例えば、ハイデガ-の「死に臨む存在」は超体が主体の消滅を条件としているにもかかわらず、その超体を主体の側から捉えようとしたものであり、そこに現象学的方法の限界の典型を如実に見て取ることができるからである。それにしても現象学的方法はホワイトヘッドの神の両本性を理解する手だてを提供してくれることも明らかになった。
また研究分担者同士の活発な議論の中で分析哲学、現象学を超出するホワイトヘッドの現実性を基盤にする有機体の概念が、現代文明の生態学的危機を克服するための基礎理論たりうるし、神の共在の理論が東西における伝統的宗教をある意味で包み込む性格のものであることも彷彿としてきた。平成八年度において、さらに研究を深化させたい。満足のいく成果を達成しうる兆しも見えてきている。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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