研究課題
総合研究(A)
本年度は全体としての研究会は開かず、随時代表者が分担者と連絡を取り合うとともに、在京者を中心に小規模な研究会を開いて研究を進めた。その際、全体として問題が多岐にわたるため、中国部門と日本部門に分かれて、以下のような研究を進めた。(1)中国部門に関しては、『碧巌録』現代語訳の作業を進めた。『碧巌録』現代語訳はこれまでに全100則のうち、第30則まで一応の作業が済んでいたが、今回、第30〜100則の大雑把な現代語訳の原稿を作成した。これらは相互の検討を行った上で、現在さらに修正原稿を作成中である。特に近現代の中国の仏教と民衆信仰の関係について、資料の収集と分析を進めた。(2)日本部門は、主要メンバーによる討議によって、どのような問題点があるかを議論し、明確化させる作業を進めた。それに基づいて、特に神仏関係論について従来の研究史の整理を行った。その間、代表者を中心に、京都高山寺、京都大学図書館、横浜金沢文庫などの調査を行い、関連する文献の確認と写真撮影などの作業を進めた。特に、金沢文庫及び高山寺所蔵の安居院唱導関係文献の調査において、従来未紹介の『転法輪抄』『釈門秘鑰』などを調査した。これらの文献は調査するとともに、備品として購入したノート型パソコンにデータを打ち入れ、直ちに活用できるように準備を進めている。(3)インド部門に関しては、分担者が各自研究を進めた。中国・日本部門に関しても、以上の共同研究とともに分担者が各自の研究を進め、その内容は代表者に報告されている。
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