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1995 年度 実績報告書

作品概念の史的展開に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07301063
研究種目

総合研究(A)

研究機関東京大学

研究代表者

佐々木 健一  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (80011328)

研究分担者 久保 光志  東京女子大学, 文理学部, 教授 (50137759)
磯山 雅  国立音楽大学, 音楽学部, 教授 (00118895)
前田 富士男  慶應義塾大学, 文学部, 教授 (90118836)
渡辺 裕  大阪大学, 文学部, 助教授 (80167163)
藤田 一美  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (60065480)
キーワード作品 / 作者 / 都市工学 / 神 / デカルト
研究概要

本年度は3回の研究会をもった。その3回において行ったことは、研究代表者が研究分担者に対して本研究の理念を説明し、趣旨を徹底することと、自らの研究報告をすることに止まった。以下においては、この研究報告の内容を略述する。その主題はデカルト哲学における作品概念の位置である。この主題は、作品概念が近世・近代哲学のなかで果たしてきた枢要な役割を象徴的に明らかにするものである。デカルトにおいて作品概念は主として2つの場面において現れてくる。第1は哲学者の仕事を作品として表象することであり、第2は哲学体系の内容そのものとしての世界像である。哲学の仕事を作品として表象することは、かれの方法論に関する考察のなかに最初の結晶を見たうえで、その哲学体系全体の構想をリ-ドした。この点についての解釈の上では、『方法叙説』第2部のテクスト全体の有機的構成を捉えることが重要で、そのためには、記述の背後にある若きデカルトの都市工学への関心を考えあわせる必要である。また、デカルト哲学の内容を形成する自然学と形而上学においても、作品概念は中心的なモデルの役割を担っていた(ここでは、作品の重点が、統一的なまとまりから、作者の性格の反映という面に移る)。世界は神の作品であり、その世界を支配している自然法則のなかに、作者である神の不変性という性格が反映している。また、この時代の宇宙観において、宇宙が無限なものとして考えられるようになりつつあったなかで、デカルトが提起したいわゆる「渦動説」は、作品概念を補うことによって初めて十分に理解することができる。物理的世界だけが世界ではない。世界の作者としての神のしるしは、人間精神そのもののなかにも見出される。-なお分担者の研究は始まったところだが、来年度は当初より研究会をもって、順次報告と討論を行う予定である。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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