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1995 年度 実績報告書

九州における仏教美術の遍在と偏在-中央様式と地方様式の関係を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 07301065
研究種目

総合研究(A)

研究機関九州大学

研究代表者

菊竹 淳一  九州大学, 文学部, 教授 (10000374)

研究分担者 竹下 正博  佐賀県立博物館, 学芸課, 学芸員
有木 芳隆  熊本県立美術館, 学芸課, 主任学芸員
井出 誠之輔  東京国立文化財研究所, 情報資料部, 主任研究官 (30168330)
大倉 隆二  熊本県立美術館, 学芸課, 参事
錦織 亮介  北九州大学, 文学部, 教授 (80047729)
キーワード仏教美術 / 遍在 / 偏在 / 中央様式 / 地方様式 / 仏教彫刻 / 仏教絵画 / 東アジア美術
研究概要

本年度は、鹿児島・宮崎両県を中心に仏教美術の遍在と偏在を調査した。その結果、宮崎県においては、仏教美術における中央様式の遍在が鹿児島県においては、東アジアの仏教美術の偏在が明確に認められた。たとえば、宮崎県佐土原町・大光寺に伝存する木造文殊菩薩五尊像は貞和4年(1348)に大仏師康俊が制作したものであることが銘文により確かめられるが、康俊は奈良・興福寺大仏師職にあり鎌倉時代の代表的な彫刻家大仏師運慶の五代孫と称している。その康俊の作品の存在は、宮崎県へ14世紀中期に慶派の作品が伝播し、中央様式を伝えたことを示しその影響が大光寺の木造地蔵菩薩坐像の造形に認められる。この例より古く、宮崎県には万福時.王楽寺.川中神社.三納代神社などの諸仏像に中央様式の遍在が認められる。一方、宮崎県高千穂神社と向山神社の鉄造狛犬は、鋳鉄造という技法上の偏在性があり、九州ばかりでなく、日本の彫刻史を考えるうえで貴重な存在である。宮崎県にくらべ鹿児島県は仏教美術の偏在ぶりがいちじるしい。県立黎明館所蔵の絹本著色仏伝図13幅や坊津町歴史民族資料館所蔵の銅造観音菩薩坐像は中国、明代の制作と考えられ、珍しい図像や作風を示しており、九州や日本における中国仏教美術、とくに明代の仏教美術の偏在が確認できる。同様のことは坊津町や笠砂町の木造媽祖神像の存在にもうかがわれる。これらは東アジアの仏教美術の日本における偏在と、対外交渉と美術との関連性をうかがわせている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 緒方 知美: "佐賀高伝寺の紺紙金字法華経見返絵" 佛教藝術. 224. 84-105 (1996)

  • [文献書誌] 菊竹 淳一: "高麗時代の毘盧舎那仏画像" 大和文華. 95. (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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