研究課題
基盤研究(B)
宮崎県・鹿児島県の内陸部、及び沖縄県にのこる仏教美術作品の調査を行なった結果、宮崎県には大量の作品が、鹿児島県には少量の作品が、沖縄県にはほんのわづかな作品が伝存していることが判明した。それらは、宮崎県においては日本の中央様式(慶派仏師や院派仏師の作品を含めて)の作品と在地の仏師による地方様式の作品がほとんど均衡を保つかたちでみられるものの、外来様式の作品はほとんどみられない。鹿児島県においては、中央様式と外来様式の作品がほとんどを占め、さらにその折衷様式とも思われる作品が注目される。とりわけ、浬築国像のなかに、中央様式・外来様式の顕著な作品が認められ、今後の仏教美術研究に重要な位置を占めると予測できる。沖縄県においては戦火で損害を受けて破壊されたものが多く、円覚寺伝来の作品の中に中央様式を認めることが可能である。九州内部、南部、島興地域の仏教美術の特色が次第に明確になりつつあることを報告できる。
すべて その他
すべて 文献書誌 (6件)