研究課題
総合研究(A)
1.資料調査(1)山口大学東亜経済研究所において合同調査を行った。調査に先立ち同研究所の既刊の蔵書目録と東洋文庫所蔵の資料との照合を行い、さらにアジア経済研究所編刊『旧植民地関係機関刊行物総合目録』をも照合しつつ、他機関と重複しない或は重複の少ない資料について、書誌的事項と資料の内容(対象とする分野や地域、資料の性格など)を記録にとった。(2)小樽商科大学、神戸大学経済経営研究所および京都大学本部・経済学部における資料の状況について、一部研究分担者による調査が行われ、今後の合同調査の要不要の参考とすることとした。(3)その他、大学図書館などの既刊の関連目録をチェックしている。2.資料の研究上記の調査で得た記録および東洋文庫所蔵の資料について、メンバーが従来より利用してきた既知の資料も併せて、中国社会の研究に有用であるか否かを検討した。その中で得た新たな知見と課題は以下の2点である。(1)調査資料と称される資料は3種類に分けられる。すなわち、実地調査それ自体の記録、実地調査の結果と文献調査とを総合したもの、文献のみによる調査のもの、である。本研究が対象として取り上げるのは前二者となるが、第二種の資料は実地調査と文献調査の比重が様々であり、取り上げ方は容易ではない。(2)資料の性格を判断する要素の一つとして調査者(機関)についての知識が必要とされるが、満鉄、台湾総督府など大規模な関連機関を除いては、その事業や性格などが十分に分かっていないことが明らかになった。