研究課題
1.資料調査(1)本年度の合同調査は京都大学経済学部図書館および東洋文庫において行った。前者においては前年度と同様、関連する資料について書誌的事項と資料の内容を記録にとった。同館では戦前期の調査資料は現在なお整理作業中のものもあり、本プロジェクトの意義を再認識した。また、同大学農学部図書館の所蔵資料についても調査の必要があることが分かったが、今回は概観するに止まった。東洋文庫の資料については従来よりメンバーそれぞれが各自の問題関心によって利用してきているが、今回は本プロジェクトの目的とする問題作成のための作業を集中的に行った。(2)前年度に購入した中国科学院管理下にある満鉄社内刊行物のマイクロフィルムを整理して、それらの資料の日本における所在状況の調査に着手した。2.資料の研究(1)前年度に引き続き、調査した資料について既知の資料と併せて中国社会の研究に有用であるか否かを中心に検討を行った。(2)前年度に新たな問題となった戦前期の中国調査機関の事業や性格について、メンバー外の研究者の協力を得て現段階の研究状況の把握に努めた。その結果、研究の進んでいる満鉄を除き、ほとんどは部分的に分かっているに過ぎないことを再認識した。そして重要な機関として東亜研究所および興亜院を取り上げ、既存の文献による限りでその概要だけはまとめられたが、それらの機関の活動の実態などは今後の研究課題である。
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