研究課題/領域番号 |
07301079
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
神谷 忠孝 北海道大学, 文学部, 教授 (10055171)
|
研究分担者 |
竹松 良明 大阪学院短期大学, 国際文化学科, 助教授 (30249396)
田口 道昭 神戸山手女子短期大学, 国文学科, 講師
奥出 健 湘南短期大学, 国文学科, 教授 (30110076)
水上 勲 帝塚山大学, 教養学部, 教授 (40131601)
及川 敬一 北海道大学, 教養部, 教授 (10041998)
|
キーワード | インドネシア / フィリピン / ビルマ / 宣伝部隊 / 日本語の普及 / 高見順 / 石坂洋次郎 / 南方徴用 |
研究概要 |
「南方徴用作家の基礎的、総合的研究」という題目で科学研究費補助金への申請申し込みは平成7年5月で許可が出たのは12月であった。共同研究者7名は6月頃から準備に取り掛かり役割分担を次ぎのように決めた。 神谷忠孝「マレー」、及川敬一「ジャワ」、水上勲「フィリピン」、木村一信「ビルマ」「ジャワ」、奥出健「ジャワ」「マレー」、竹松良明「ビルマ」「ジャワ」、田口道昭「ジャワ」。 この地域区分は徴用作家の数や発表作品の多少によって決めた。78名に及ぶ文学者すべてについて、単行本の収集と併せて雑誌、新聞発表の文章の収集、整理も行うこととした。 次ぎに研究分担者は各地域における典型的な文学者を選んで論文を執筆することになり、世界思想社の協力を得て次ぎのように執筆分担した。神谷は「序論」で南方徴用の概略、及びマレー派遣の寺崎浩を論じ「寺崎浩と宣伝放送」、及川敬一は「武田麟太郎でインドネシアを扱った。水上勲の「石坂洋次郎とフィリピン」は日本で最初の石坂洋次郎研究である。木村一信の「高見順の『徴用』体験」と竹松良明の「榊山潤」はビルマ(ミャンマー)における宣伝活動を論じた。奥出健はジャワ、スマトラなどを訪れた「佐藤春夫」を取り上げた。 以上のほかに研究者7名に協力してもらい、『南方徴用作家-戦争と文学-』(世界思想社、平成8年3月、296頁)が刊行された。巻末に木村一信、奥出健共同作成の、単行本140冊を年代順に整理した「南方徴用作家作品年表」を掲載した。 また、木村一信は龍渓書舎企画の『南方徴用作家叢書』[第1期・ジャワ篇]全15巻の編集・解説を担当し、平成8年10月に一挙発売された。この企画にも科学研究費補助金で購入した多くの資料が活用された。研究の実績は着実に評価されつつある。
|