研究分担者 |
山崎 正 神戸大学, 理学部, 教授 (30011696)
村瀬 篤 京都産業大学, 理学部, 教授 (40157772)
菅野 孝史 広島大学, 理学部, 助教授 (30183841)
伊吹山 知義 大阪大学, 理学研究科, 教授 (60011722)
荒川 恒男 立教大学, 理学部, 教授 (60097219)
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研究概要 |
2年間の期間,東京大学の駒場キャンパスと,神戸大学・理学部において,それぞれ月例のセミナーを開き,これを勉強会および相互の研究交流の中心とした.数学的内容については,主題のうちSelberg跡公式の研究については,未だ所期の目標を達成したとは言い難いが,その他の主題,例えば比較的小さな実半単純hie群の明示的な調和解析などについては,予想以上にかなりの進展が得られたと,代表者は自負している.これらの成果をPoincare'級数等の大域的対象の構成やその基本性質の研究に役立たせるのが次の大きな目標として浮び上ってくる. 代表者織田は,都築正男(東大・大学院→学振PDF),宮崎琢也(京大・数理研・大学院→学振PDF),早田孝博(神戸大学・大学院)等の若い研究者や三重大学古関春隆との共同研究を通じて,階数が1あるいは2の古典型hie群上の一般化された球関数(表現の行列係数,Whittaher関数)を種々,明示的に調べた.成果の一部は共著論文として投稿中である.荒川恒男は多変数の保型形式論の古典的で重要な結果をJacobi群へと拡張した.高瀬幸一とともに織田・荒川は東大・駒田において保型形式論の月例セミナーを組織し研究交流の拠点とした.このセミナーの目標のうち,Selberg跡公式の基本技法を広める点についてはそれなりの成果があったと考えるが,そのべき単頂と概均質ゼータ関数の関連はいまだ問題の核心に至らず今後の課題として残った.ただ木村達雄・行者明彦・佐藤文広との接触によって概均質ゼータ研究の今日的な研究水準にわれることが出来たのは有益であった. 分担者のうち菅野と村瀬は古典群のL-関数の研究の完成を目指した.GLnの研究は発表することが出来,ユニタリー群の結果も,まずセミナリー・ノートとしてまとめつつある.伊吹山は京大の斎藤裕との跡公式の共同研究の継続,そして室蘭工大の桂田英男とEisenctein級数のEouvier係数の新たな共同研究を開始した.関西では山崎が村瀬と月例セミナーの幹事を勉めて研究交流の場とした.その他渡部隆史の金沢大学の森下との共同研究等書くべきことが多いが,余白がない.
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