研究課題/領域番号 |
07304003
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上野 健爾 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40011655)
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研究分担者 |
桂 利行 東京大学, 大学院数理解科学研究科, 教授 (40108444)
向井 茂 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 教授 (80115641)
浪川 幸彦 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 教授 (20022676)
神保 道夫 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80109082)
丸山 正樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50025459)
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キーワード | 弦理論 / 共形場理論 / 代数曲線 / ベクトル束のモジュライ空間 / Calabi-Yau多様体 / リーマン面のモジュライ空間 / 単純リイ代数 / ゲージ対称性 |
研究概要 |
理論物理学の弦理論、共形場理論の進展にともない、代数曲線やその上のベクトル束のモジュライ空間、Calabi-Yau多様体のモジュライ空間の幾何学的性質が重要になって来ている。本研究では、こうしたモジュライ空間の進展を特に数理物理学的観点から追求した。 上野は主として共形場理論の観点から点付きリーマン面のモジュライ空間を研究し、単純リイ代数をゲージ対称性にもつ共形場理論、いわゆるWZWモデルは有理数体Q上で理論が展開できることを示し、さらに理論は離散附値環上で展開できることを示した。上野はさらに清水 勇二、鈴木 武史の両氏と共に共形場理論の基本方程式である共形場ブロックの射影的接続を種数2以上の点付き代数曲線のモジュライ空間上で具体的に記述することを研究し、部分的な解決を見た。 丸山は代数曲面上のベクトル束、さらに一般に安定層のモジュライ空間の新しい構成法を示し、向井は主としてK3曲面上のベクトル束のモジュライ空間の研究を行い、代数曲線のモジュライ空間との興味ある関係を見出した。 川又はCalabi-Yau多様体の変形が障害を持たないことを代数幾何学的に示し、さらにそのモジュライ空間を双有理幾何学的立場から考察した。また、桂は正標数の楕円曲面の多標準因子系を考察し、標数0の場合との幾何学的違いがそれ程大きくないことを示した。これらの研究はモジュライ空間を正標数で考えるとき重要な役割をする。また、加藤和也はモジュライ空間を数論的立場から考察した。 さらに、神保は数理物理学で大切な役割をするパンルヴェ方程式の離散化を考察し、興味ある結果をえた。 以上のように、本研究においてはモジュライ空間を代数幾何学的、数論幾何学的観点から考察し、数理物理学への応用に関していくつかの興味ある観点を見出した。この観点をさらに深めることが今後の課題である。
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