研究課題
総合研究(A)
大学における数学基礎教育は、近年の大学改革による教養部改組、教養科目の廃止に伴なう教育組織、教育計画の変化、これに伴う数学基礎教育の内容と専門教育との調和、整合性等が緊急の問題となっている。また、学生の知識・能力の多様化等の大きな問題も含め、これらの諸問題について、厳密かつ徹底的な調査を行い、そこから問題解決の方法を探る事が、本研究の課題である。今年度は、2年間の継続研究の初年度として、上記の問題を検討する為の3つの調査部会と調査、連絡の効率化を計る為のワットワーク部門からなる、4つの部会を構成し調査・検討に着手した。教育体制調査部会においては、教養部の改組、教養科目の廃止に伴う数学基礎教育の体制の変化、及び教育内容の変化を各大学から便覧、シラバス等を取り寄せ調査を開始した。専門教育内容調査研究部会では、基礎科目として数学が特に必要とされる、理学、工学、経済、教育系、情報系の5研究班を組織した。各研究班では、各々の分野で必要とされる基礎数学の内容の調査の為にそれらの分野における専門家を講師として研究会を開催している。学生学力調査部会では、来年度に行なう本格的調査の為の試行として、約10の大学の協力のもとに、初年級の学生を対象として、計算能力、思考能力を試す学力調査を行ない、本試験実施の為の検討を始めた。ネットワーク部門は、この研究、調査のために全国の大学の数学関係組織を結ぶネットワークを組織した。この結果、現在までに約120大学、160組織からの参加があったことは、この研究に対する期待の大きさを物語るものである。
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