研究課題/領域番号 |
07304015
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大沢 健夫 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (30115802)
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研究分担者 |
風間 英明 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (10037252)
泊 昌孝 金沢大学, 理学部, 助教授 (60183878)
上田 哲生 京都大学, 総合人間学部, 教授 (10127053)
赤堀 隆夫 姫路工業大学, 理学部, 教授 (40117560)
野口 潤次郎 東京工業大学, 理学部, 教授 (20033920)
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キーワード | 多変数関数論 / Langの予想 / 値分布論 / 線形系 / 中野予想 / 弱1完備多様体 |
研究概要 |
当補助金の約半分は、多変数関数論の研究グループ(院生を含め約80名)の通常の活動である、多変数関数論サマーセミナー、多変数関数論シンポジウムを支援するために用いられ、残りは新しく企画された研究集会を催すために用いられた。それらは「多変数関数論の総合的研究-問題特集を中心として」,「単葉性の諸相」,「特異点Winter School」であった。このグループの研究者による最近の研究成果の詳細は、成果報告書に譲り、以下には特に顕著な成果を記す。今世紀初頭以来複素関数論に大きな衝撃を与えたPicardの大定理は、多変数の関数に対しても様々な形で拡張されて来たが、近年特に数論とのつながりが明確になって来たために再び広範囲の興味を集めている。それに関してLangの予想というものがある。これは複素平面からアーベル多様体のアファインZariski開集合への正則写像が定値写像に限るというものだが、小林亮一、M、Ru,P、M、Wongらが10年ほど前から解決に向けた努力を続けて来たものである。これを解くために、小林は新しい一般的な基礎にもとずく値分布論を建設中で、方々でその考えを発表して来た。その結果本年度はY、T、SiuによるLang予想の明快な証明が得られるということになった。Siuの仕事はもちろん小林の仕事に大きく影響を受けてできたものである。また、複素多様体上のL^2評価を用いる新しいアイデアにより、代数幾何学における線形系の理論に急速な進展が見られた。その結果、20年間未解決であった中野予想、すなわち正直線束をもつ弱1完備多様体は十分次元の高い射影空間に埋め込めるという予想が高山茂晴(名大多元数理)によって肯定的に解決されたことは喜ばしいことである
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