情報構造と複雑性の総合的研究

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07304018
• 研究種目: 総合研究(A)
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 難破 完爾 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40015524)
• 研究分担者: 筧 捷彦 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20062672) ; 牛島 和夫 九州大学, 工学部, 教授 (40037750) ; 榎本 彦衛 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (00011669) ; 土居 範久 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (50051553) ; 小林 孝次郎 東京工業大学, 情報理工学研究科, 教授 (00016148)
• キーワード: 情報構造 / 複雑性の問題 / 多項式時間アルゴリズム / 計算量の下限 / 整数の素因数分解 / 有限体上の楕円曲線 / フックスの関数 / 高速フーリェ変換

研究概要

情報構造の複雑性の問題は、例えば大きな桁数の整数の乗法に関する高速フーリェ変換による方法や整数の素因数分解の能率の良いアルゴリズムの研究など、計算量の下限の研究や計算量の平均の下限の問題など、現在の数学ならびに情報工学などでの一つの中心的研究課題である。
当該研究では色々の課題について研究を進めているが、特に研究代表者に関係した部分についてまとめてみる。
我々の直接の研究対象は、有限体上の楕円曲線とそれから自然に定まる可換群の位数に関するものである。有限素体F_p上の楕円曲線
【numerical
の不変量【numerical formula】を変数すると、可換群の
【numerical
を用いて、【numerical formula】で表現されることが知られている。れらを通じて、例えばp=【numerical formula】のような形の素数を因数とする合成数に関する素因数計算の確立的多項式時間アルゴリズムを得る
【numerical
なるzの高確率な分布がどういつた構造をもっているか研究して行きたい。いずれにしてもこの研究は代数と離散的数の上の微分方程式のモノドロミ-を結び付けるもので理論と応用の両面からも重要なものと考え引き続き研究に集中したいと考えている。

研究成果

• [文献書誌] Kanji Namba: "Some conjectures on symmetric matrix determined by elliptic curves over finite fields" 1994年度応用数学合同研究集会報告集. 221-226 (1994)
• [文献書誌] Kanji Namba: "Symmetries of Fuchsean function terated to elliptic functions over finite fields" 1995年度応用数学合同研究集会報告集. 271-276 (1995)
• [文献書誌] S.Takada, N. Doi: "Centering in Japanese; A step towards better interpretation of pronouns and zero-pronouns" Proc. of the COLING 15th Int. Conf. on Compt.1151-1156 (1994)
• [文献書誌] Z. Ohmori, H. Enomoto: "The Schur indices of the irreducible characters of G_2 (2^n)" Proc. Japan Academy. 69A. 350-352 (1993)
• [文献書誌] H. Eiju, S. Arikawa: "Toward a mathematical theory of mathine discovery from facts" Bull. Inform, and Cybernetics. 26. 13-33 (1994)
• [文献書誌] M. Sato: "A purely functional language with encapsulated assignment" Int. Symp. TACS'94 Proceedings. 789. 179-202 (1994)
• [文献書誌] S. Arikawa, K. P. Jantke: "Algorithmic Learning Theory" Springer-Verlag, Lect. Notes in Artif. int. 872, 575 (1994)
• [文献書誌] 佐藤雅彦、 桜井貴文: "プログラムの基礎理論" 岩波書店、岩波ソフトウェア科学講座13, 348 (1991)