研究分担者 |
東海林 まゆみ 日本大学, 理工学部, 講師 (10216161)
中木 達幸 広島大学, 理学部, 助教授 (50172284)
池田 栄雄 富山大学, 理学部, 助教授 (60115128)
杉原 正顯 東京大学, 工学部, 助教授 (80154483)
西浦 廉政 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00131277)
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研究概要 |
本研究分担課題では非圧縮流体の支配方程式であるNavier-Stokes方程式およびEuler方程式の解析を,理論及び数値計算を通じて行なった.また,流体の数値計算に必要となる数値計算法の研究も並行して行なっている.研究内容を大きく分けると,(1)Navier-Stokes方程式の理論解析(2)水面波の分岐現象の数値シミュレーション(3)渦法によるEuler方程式の数値計算となる. (1)Navier-Stokes方程式の理論解析. 3次元Navier-Stokes方程式を円柱の外部で考え,その軸対称な解である種の常微分方程式に帰着できるものが存在することを見い出した.この解は2次元でTamadaが,3次元でWangが見つけたものの拡張になっている.また、Navier-Stokes方程式に対するコルモゴロフ問題の解のレイノルズ数無限大の極限を考え,速度ベクトル場がC^1だがC^2ではないベクトル場に収束することを数値的に示した.これは内部遷移層の一例であり,パワースペクトルの理解に役立つことが期待できる.Navier-Stokes方程式の相似解で新しいもの,特に,合流型超幾何関数で表されるものを多数発見した.Navier-Stokes方程式の定常解のうち,境界で流体の出入りがあるものを考え,その安定性を調べた.ある種の解はいくらReynolds数が大きくなっても安定性を失わないという結果を得た. (2)水面波の分岐現象の数値シミュレーション. 2次元渦無し流の上の周期的な進行波の波形を計算する問題は,Weber数とFroude数をパラメーターに持つ分岐問題と考えることができる.このふたつのパラメーターを動かしてどのような解が分岐して現れるのかを数値計算で調べた.ある場合には表面張力係数が負の場合も数値計算し,その一極限としてEulerのエラスティカと同じ解が存在することを発見した.また渦有りの場合の分岐解も調べてみた. (3)渦法によるEuler方程式の数値計算. 渦層は,ある曲線上に渦度が分布するような初期条件でのEuler方程式の解のことである.2次元渦層が背景流としてのせん断流の中でどのように振舞うのかを,渦法という数値計算法を用いて数値計算で調べた.これまで2次元渦層の研究はそれ自身の振舞いが調べられてきたが,渦層と,せん断流などとの相互作用は本研究が始めてである.
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