研究分担者 |
三輪 哲二 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (10027386)
三村 昌泰 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50068128)
小田 忠雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60022555)
上野 健爾 京都大学, 理学部, 教授 (40011655)
荒木 不二洋 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20027361)
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研究概要 |
数学がどのように数理科学に用いられているかを調査する一つの方法として,世界数学者会議の講演の題目と,国際工業数学応用数学会議の講演の題目を比較対照する作業から始めてみることが必要である。そこから,数学がどのように諸科学に用いられているかをうかがうことができる。これ自体,相当な作業をともなうため未着手である。本年度はこの研究の準備のための連絡のために費用を用いた。また,基本的な問題として,数学と数理科学がどう異なるのか?という問題があり,研究者により,数学=数理科学と思っている人も多い。そこで、このことについて徹底的に討論するために,平成7年8月に一泊二日をもちいて合宿して討論を行った。問題提起として,研上淳、薩摩順吉,砂田利一,西浦廉政,藤田宏の8名,計16名が参加して活発な討論となった。この結果は別に冊子の一部として発表される。その議論の内容の一部を紹介すれば,数学=数理科学の論をされる論者は,「本来数学はギリシャ以来,種々の応用に関心を持ち,その問題を解いてきた。ただ,20世紀の数学のみが特殊になって,純粋数学の中に閉じてしまったのである。」という意見であり,数理科学を数学と区別したい論者は,「20世紀の現実を踏まえ,本来の数学にかえすためには,数理科学を特に強調すべきだ。」というのである。どちらも,20世紀の数学に対する反省は一致している。
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