研究課題/領域番号 |
07304028
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・核・宇宙線
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
鈴木 恒雄 金沢大学, 理学部, 教授 (60019502)
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研究分担者 |
青木 健一 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (00150912)
米山 博志 佐賀大学, 理工学部, 教授 (50210795)
宮村 修 広島大学, 理学部, 教授 (80029511)
宇川 彰 筑波大学, 物理学部, 教授 (10143538)
松原 兌巳 七尾短期大学, 教授 (10209603)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | QCD / 格子理論 / モンテカルロシミュレーション / モノポール / インスタントン / Infrared effective theory of QCD / Finite-temperature phase transition |
研究概要 |
平成7、8年度は研究実施計画に沿って、研究対象の違いに対応して、グループごとに交流をし研究を進めた。主な研究実績は以下のようである。1)計算機シミュレーションの方法を用いた強い相互作用の理論である量子色力学(QCD)に基づくハドロン物理量の計算と予言、重いクォーク系の計算、QCDでの有限温度での相転移の解明の研究を実施した。特に、筑波大のグループによるウイルソンクォークの入ったQCDの相構造、ハドロンの散乱振幅を格子理論の枠内で非摂動的に決定した事など特筆される。2)計算機シミュレーションの方法を用いたQCDでのクォークの閉じ込め機構の解明、QCDにおける位相量(モノポール、インスタントン等)の重要性の解明についても、金沢大、広島大のグループによって精力的になされた。アーベリアン射影されたQCDでモノポールが、すべての質量の生成に本質的であるらしい事、インスタントンとモノポールの密接な関係、デュアル格子上での繰り込み群変換と繰り込み群の流れ図の解明など興味ある結果が得られた。 平成9年度はこの研究計画のまとめとして、予定どうり「格子上の場の理論」の中で最重要な問題であるQCD、特にQCDの真空構造の問題にテーマを絞った国際会議を京都大学基礎物理学研究所の「1997年湯川国際セミナー非摂動的量子色力学-QCDの真空構造-」として1997年12月2日-12月12日まで10日間開催し、外国旅費は、他の予算からあて、この科研費全体を国内旅費にあてた。科研費分担者の多くが組織委員に参加をした。会議は、10日間にわたって、各40分の講義形式の講演を1-3コマ各招待講師が行った(計50コマ)。さらに、短い一般講演のセッションが38講演、主催者が企画をした格子QCDと解析的QCDの国内外の第一線のQCD研究者によるテーマを設定したディスカッションの時間も設けた。全体の登録した参加者数は143名であった。主な討論内容は1)クォークの閉じ込め機構について2)カイラル対称性の自発的破れの機構、3)QCDの有限温度相転移、高温相の物理、4)新しい非摂動的解析的手法の開発等「QCDの真空構造」にテーマを限定した。
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