研究課題/領域番号 |
07304031
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 総合 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 電気通信大学 (1996) 東京大学 (1995) |
研究代表者 |
村田 好正 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (10080467)
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研究分担者 |
中辻 博 京都大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90026211)
並木 明 九州工業大学, 工学部, 教授 (40126941)
太田 俊明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80011675)
潮田 資勝 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (90176652)
興地 斐男 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20029002)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 表面科学 / 表面電子励起 / 反応素過程 / 光励起脱離 / 非平衡原子線・分子線 / 非熱的過程 / 理論と実験の共同研究 |
研究概要 |
表面の原子配列や電子構造などの静的物性は、実験・理論の両者で方法論が確立し、多くの系に適用され、理解は大きく進展した。また熱平衡状態での表面反応も多角的に調べられてきている。本研究ではこのことをふまえ、次世代の研究の発展につながるものを目指し、表面電子励起と非平衡状態を通して、表面の動的現象を、実験と理論の両面から進めた。電子励起に伴う光励起脱離、光化学反応に高い反応選択性を見い出した。これは直接観測できない反応の遷移状態を表面電子励起の側から眺めている。一方、遷移状態は励起状態と基底状態の波動関数の重ね合わせでできるので、この励起状態を通して眺めた選択性の原因を探ることは触媒作用の解明に効果的である。また表面反応が非平衡状態で進行している様子を追跡するため、配向分子線、スピン偏極した原子線などの非平衡ビームの作製を行った。これを用いた表面物性の研究は緒についたところである。理論面からは、量子論の立場から励起状態と非断熱過程による脱励起を論じたり、励起状態や電子相関が関与する複雑な系を取り扱ってきた。そしてこれらの研究を理論と実験の協力のもとに、効果的に進める方法を構築しはじめている。 具体例を2〜3挙げる。Pt(111)からのNO分子のレーザー誘起脱離で、実験面から脱離の中間の励起状態のポテンシャルエネルギー曲面に、新しいモデルが提唱できた。また理論面からも、励起状態の理解について多くの進展が得られた。一方、非平衡ビームとしては、スピン偏極したCs原子線の開発に成功し、表面でのスピン相関の研究を始めたり、オルトH_2ビームの表面でのオルト・パラ転換の研究に効果的な散乱H_2分子の共鳴多光子イオン化法による検出に成功した。
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