研究課題/領域番号 |
07304036
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 寅夫 京都大学, 防災研究所, 教授 (40027222)
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研究分担者 |
田部井 隆雄 高知大学, 理学部, 助教授 (40207220)
木股 文昭 名古屋大学, 理学部, 助手 (10089849)
加藤 照之 東京大学, 地震研究所, 助教授 (80134633)
内藤 勲夫 国立天文台, 地球回転研究系, 助教授 (90000174)
笠原 稔 北海道大学, 理学部, 助教授 (40001846)
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キーワード | GPS測位 / マイクロ波 / 水蒸気分布 / 伝播遅延 / トモグラフィー / 水蒸気ラジオメータ |
研究概要 |
対流圏における水蒸気分布に関する研究を中心課題においた「GPS気象学」の予備的な特別観測が平成9年7月22日から8月1日まで、つくば市において実施された。これに際して水蒸気ラジオメーターの相互比較を目的として気象研究所屋上において連続観測を行った。さらに、平成9年10月20日から1週間、名古屋大学構内において、とくに降雨時を対象として群列GPS観測と水蒸気ラジオメーター観測および地表気象観測を実施した。 平成9年11月26日および27日には、京都府宇治市において「GPS気象学ワークショップ」を開催した。両日で42編に及ぶ研究発表がなされたが、とくに初日の第1セッションでは前述のつくば市における特別観測に関する解析結果が紹介された。熱心な討論が展開され、大気中の水蒸気分布に関するトモグラフィー研究を中心とする今後の研究方針が取りまとめられた。 本基盤研究が当初目的としたトモグラフィーによる対流圏水蒸気分布の決定は、厳密にいえば研究はまだその緒に就いたばかりということになる。しかしながら、3年間にわたって実施してきた本研究が果たした役割と成果は、わが国内はもとより米国を中心とする国際的な観点からも極めて大きいと評価できる。本基盤研究は平成7年に開始したが、当時まだ学際的な組織化がほとんどなされていなかったわが国の関連研究者が「GPS気象学」のもとに集結してわが国独自の「GPS気象学」を発展させていく過程において本研究はその中心な役割を果たしてきた。我が国における今日の「GPS気象学」は本基盤研究によって成長することができ、まさに時機を得た総合的研究であったと考えられる。
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