研究分担者 |
榊原 正幸 愛媛大学, 理学部, 助教授 (80202084)
荒井 章司 金沢大学, 理学部, 教授 (20107684)
君波 和雄 山口大学, 理学部, 教授 (20127757)
松岡 篤 新潟大学, 理学部, 助教授 (00183947)
豊島 剛志 新潟大学, 理学部, 助教授 (10227655)
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研究概要 |
初年度の成果を集約し,相互の研究協力や今後の進め方を検討するために,第一回目の研究集会を2月20-21日の二日間にわたり新潟大学で開催した.そこでは,いくつかの新たな重要な知見が報告された.その第一は,従来典型的なMORBと見なされ,海嶺起源と思われていた空知-エゾ帯の緑色岩の多くが,海台玄武岩に類似した岩石学的特徴を示すことが明らかになりつつある. また,詳細な野外調査の進行の中で,これまでメランジ内の異地性岩塊と見なされてきたチャートと玄武岩類の間に,貫入関係が存在している例があることが多くの場所で確認されつつある.このことは,その玄武岩の生成場が海嶺ではなく,深海底堆積物がある程度形成された後に火成活動が開始されたこと,つまり,ホットスポットや海台玄武岩の活動の初期段階ないしフィーダーを示すものと思われ,緑色岩の生成場と生成時期を考えるうえで,重要な意義があると思われる. このほか,砂泥質堆積岩と玄武岩類との関係では,従来ほとんどの玄武岩類が異地性岩塊と見なされ,沈み込み帯で構造的にはぎ取られて付加されたものと見なされてきたが,一部に,砂泥質堆積岩中ないしはその上に貫入もしくは噴出した産状が発見された.この事実は,その緑色岩が海溝付近で形成された,ないしは海溝が大量の堆積物によって埋積されていたいわゆる埋積海嶺であったことを示しているものと思われる. 以上のような重要な事実の発見とともに,予定していた様々な側面からの研究が着実に進められている.
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