研究分担者 |
榊原 正幸 愛媛大学, 理学部, 助教授 (80202084)
荒井 章司 金沢大学, 理学部, 教授 (20107684)
君波 和雄 山口大学, 理学部, 教授 (20127757)
松岡 篤 新潟大学, 理学部, 助教授 (00183947)
豊島 剛志 新潟大学, 理学部, 助教授 (10227655)
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研究概要 |
本研究も2年目に入り,各分野で着実に研究が進行している.主な成果の概要は以下のとうりである.その第一は,従来典型的なMORBと見なされ,海嶺起源と思われていた空知-エゾ帯の緑色岩の多くが,海台玄武岩に類似した岩石学的特徴を示すことが明瞭となってきた.これらは主要成分のいくつかでMORBと類似しているものの,TiO2-FeO^*/MgO図ではIATとMORBとの中間的な性格を有することや,P,Zr,Ti,Yなどのインコンパチブル元素においてMORBよりも枯渇していること,一方NbはMORBとほぼ同一の濃度を有していることなどが明らかとなってきた. また,詳細な野外調査の進行の中で,チャートと玄武岩類の間に,貫入関係が存在している例があることが多くの場所で確認された.このことは,その玄武岩の生成場が海嶺ではなく,深海底堆積物がある程度形成された後に火成活動が開始されたこと,つまり,ホットスポットや海台玄武岩の活動の初期段階ないしフィーダーを示すものと思われ,緑色岩の生成場と生成時期を考えるうえで,重要な意義があると思われる. 海嶺衝突に関連したと考えられる砂泥質堆積岩と玄武岩類との関係では,両者の間の相互反応についての解析が進行しており,玄武岩類と接触する付近の砂泥質堆積岩は,K2OやRbなどが著しく除去されるとともに,SiO2やCaOが付加されていることが明らかとなってきた.こうした特異な産状をより詳細に検討するために,変動をあまり被っていない第三紀の玄武岩貫入岩と周囲の堆積岩との解析も進行している. 以上の様に,予定していた様々な側面からの研究が着実に進められている.
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