研究分担者 |
新田 清信 北海道大学, 理学部, 助教授 (30111149)
榊原 正幸 愛媛大学, 理学部, 助教授 (80202084)
荒井 章司 金沢大学, 理学部, 教授 (20107684)
君波 和雄 山口大学, 理学部, 教授 (20127757)
松岡 篤 新潟大学, 理学部, 助教授 (00183947)
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研究概要 |
これまでの主な成果の概要は以下のとうりである。 その第一は,従来典型的なMORBと見なされ,海嶺起源と思われていた北海道の空知-エゾ帯の緑色岩の多くが,海台玄武岩に類似した岩石学的特徴を示すことが明瞭となってきた.また,詳細な野外調査の進行の中で,チャートと玄武岩類の間に,貫入関係が存在している例があることが多くの場所で確認された.このことは,その玄武岩の生成場が海嶺ではなく,深海底堆積物がある程度形成された後に火成活動が開始されたこと,つまり,ホットスポットや海台玄武岩の活動の初期段階ないしフィーダーを示すものと思われ,緑色岩の生成場と生成時期を考えるうえで,重要な意義があると思われる.一方,同様の起源が示唆されている西南日本に分布しているみかぶ緑色岩類についての地質学的・岩石学的検討が進行しており,その火成作用の場や岩石組成上の特徴が明らかになってきた. 海嶺衝突に関連したと考えられる砂泥質堆積岩と玄武岩類との関係では,北海道から沖縄にかけての広範囲ないろいろな地域から,新たに詳細な産状が報告された.また,両者の間の相互反応についての解析が進行しており,玄武岩類と接触する付近の砂泥質堆積岩は,K2OやRbなどが著しく除去されるとともに,SiO2などが付加されていることが明らかとなってきた.こうした特異な産状をより詳細に検討するために,変動を被っていない第三紀の玄武岩貫入岩と周囲の堆積岩との解析も進行した. 一方,これまでその成因が不明瞭であった領家帯の変塩基性岩類の起源や,九州北部に露出する巨大な変斑れい岩体の岩石学的特徴,また,これまでほとんど知られていなかった北部北上帯に産する緑色岩類についても,その実体が明らかにされた. このほか,付加体の構造性メランジの形成プロセスとプレート運動との関連や,超苦鉄質岩の起源など,様々な分野・側面からの研究が着実に進められた.
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