研究課題/領域番号 |
07304041
|
応募区分 | 総合 |
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
加々美 寛雄 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (20108179)
|
研究分担者 |
周藤 賢治 新潟大学, 理学部, 教授 (50143748)
白石 和行 国立極地研究所, 教授 (90132711)
飯泉 滋 島根大学, 総合理工学部, 教授 (80032639)
廣井 美邦 千葉大学, 理学部, 教授 (40019427)
有馬 真 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (10184293)
|
キーワード | 西南日本弧 / 下部地殻 / 捕獲岩 / 進化 / Rb-Sr年代 / Sm-Nd年代 / Sr同位体比 / Nd同位体比 |
研究概要 |
平成7年度は西南日本弧の下部地殻源物質について主要・微量化学組成、Sr、Nd同位体比および地質年代学的研究を行ってきた。平成8年度においても西南日本弧の研究を引き続き行っており、その結果は鳥取県三朝町で行われた1996年度質量分析学会同位体比部会で発表した(大石祥之・加々美寛雄 ; 西南日本弧下部地殻物質のSr、Nd同位体比とSm-Nd年代)。研究対象地域の山口県宇田島の下部地殻源岩石から得られた年代はジュラ紀末期の147Ma、古第三紀始新世末期の38Maと新生代後期(アイソクロンでは0Ma)であった。山口県千石岳からは後期白亜紀(96Ma)、また北九州黒瀬からは白亜紀後期(84-73Ma)、古第三紀始新世最末期(37Ma)の年代が得られた。ジュラ紀を除いたこれらの年代は西南日本弧における激しい火成活動の時期と一致している。この年代は下部地殻が激しい火成活動のため温度上昇した事と下部地殻自身がこれら火成岩類の起源となっている事の可能性を示している。この二つのいずれの可能性が高いかは鉱物学・岩石学的方法から現在検討中である。平成8年度の主要研究対象地域は東北日本弧である。試料採集地点は一ノ目潟(男鹿半島)、温海、北部フォッサ・マグナ、南北フォッサ・マグナのほぼ境に位置する八ケ岳、南部フォッサ・マグナの山梨県佐野川地域である。採集された捕獲岩の殆どははんれい岩である。一部のはんれい岩のSr、Nd同位体比は火山岩と一致しているが、また一部のものについては一致していない。前者については母岩との成因的関連性が暗示されるが、後者はそのような関係にない事を示している。後者について鉱物分離を行い同位体比を測定すると鉱物間に同位体比の差が認められる。この事はこれらはんれい岩が母岩の活動年代である新生代後期よりはるかに古く、これら火山岩の基盤となっている可能性を示している。しかし下部地殻源かどうかは今後の研究が必要となる。
|