研究課題/領域番号 |
07304053
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 総合 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長田 敏行 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10012519)
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研究分担者 |
西谷 和彦 鹿児島大学, 教養部, 助教授 (60164555)
園部 誠司 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (30197024)
馳澤 盛一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40172902)
中村 研三 名古屋大学, 農学部, 教授 (80164292)
柴岡 弘郎 大阪大学, 理学部, 教授 (60087054)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | タバコ培養細胞BY-2 / 細胞周期の同調 / 微小管 / インビトロ転写系 / キネシン / オーキシン / miniprotoplast |
研究概要 |
本研究は、1982年以来研究代表者によって開発された、タバコ培養細胞系BY-2株の高度な細胞周期の同調系を中心として国内での研究の推進と情報交換をと主眼として組織されたものである。この実験系は世界的にも極めてユニークである。なぜなら、現在唯一の高等植物細胞で高度な同調系が可能な系であるので、代表者が知る限りでも世界20カ国およそ100余の研究室で使用されているからであり、その使用者は現在もなお広がりつつある。特に、細胞周期依存的な遺伝子発現の研究には不可欠となっており、世界の有力な研究室で使われている。日本においても、開発以来研究代表者の研究室を中心として研究が推進されてきたが、特にこれまで研究内容を含め特別に議論されたことはなかった。そこで、本研究では国際的状況も鑑みて、我国における研究の独自な推進と情報交換を目的として研究グループを組織した。 その結果、わずか2年間の研究期間であったが、BY-2細胞の高度同調系を用いて、表層微小管の構築の動態が解明されたことと、その構築に関わって重要な役割を果たしていると考えられる分子が同定された。また、細胞周期の進行に伴っていくつかのキネシン様遺伝子がそれぞれ特徴的な発現を示し、その産物の存在様式も特徴的な動態を示すことが明らかになった。細胞増殖に必須なオーキシンに関わる信号伝達の経路が明らかにされたが、これは植物細胞で初めてのタンパク質キナーゼCのレセプターの存在を示すものであること、またK^+イオンチャンネルの関与を示すものであった。更に、インビトロ転写系の開発は広範な目的に適用可能な実験系が開発されたことに他ならず、この系を通じてBY-2細胞は一層国際化の道を辿ることとなった。また、細胞質で合成されたタンパク質はC末端あるいはN末端のアミノ酸配列によって液胞への輸送の様式が異なるなどの新しい知見も得られた。 また、平成7年度には、本研究グループのメンバーを中心として、日本植物学会の大会においてシンポジウムを催して自ら議論を深めると共に広く知っていただく努力を試みたが、その反響は相応にあり、所定の目的を果たすことができた。
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