研究分担者 |
藤原 義和 京都大学, 理学部, 助手 (70199397)
梶野 敏貴 国立天文台, 助教授 (20169444)
尾立 晋祥 東京理科大学, 理工学部, 教授 (60089365)
岡部 成玄 北海道大学, 情報処理教育センター, 助教授 (70169134)
鈴木 宣之 新潟大学, 理学部, 教授 (70018670)
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研究概要 |
少数多体系の厳密解法として多くの有用な方法を開発した。特に、ガウス型基底関数を用いるチャネル結合変分法、確率論的変分法、ファデ-エフ-ヤクボフスキー法、連続チャネル離散化法などで大きな進展があった。 これらの方法は具体的な課題に多用され多くの成果を上げたが、数例をつぎに上げる。 (1)3体問題の中でクーロン力のもつ非正則性を取り扱う方法として、補助クーロン・ポテンシャルの導入による変形Faddeev方程式の方法を、3体分裂しきい値以下のエネルギーでの3核子散乱問題に対して適用し、その有効性を示した。 (2)反陽子ヘリウム原子の異常な長寿命状態(J=30-40)の精密レーザー実験データを、ガウス型基底関数組み替えチャネル変分法を用いて解析し,状態間遷移の光子の波長を6桁の精度で計算を実行し、7個のレーザー実験データ(精度6桁)の説明に成功した。 (3)同じく、チャネル結合変分法をハイパー核の3、4体クラスター系に適用し、A=4,7,13の核について、レベル構造とハイペロン-核子相互作用、特にスピン依存力との関連を明らかにした。 (4)3核子系中間状態を考慮する事により、ハイパートリトンの非中間子崩壊の機構を解明した。 (5)確率論的変分法をポジトロニウム分子(4体系)に適用し、新たに、4.9MeVのL=1励起状態を理論的に発見した。この状態から基底状態へのE1遷移が観測されるならば、この分子の存在を確認する事ができる。 (6)4体反応2H(d,n)3He,2H(d,p)3Hを4体Faddeev-Yakubovsky方程式によって, Parisポテンシャルを用いて解析し、実験値をかなりよく再現した。
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