研究課題/領域番号 |
07304067
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研究種目 |
総合研究(A)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
篠塚 雄三 山口大学, 工学部, 教授 (30144918)
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研究分担者 |
吉田 博 大阪大学, 産業科学研究科, 教授 (30133929)
萱沼 洋輔 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80124569)
中山 隆史 千葉大学, 理学部, 助教授 (70189075)
住 斉 筑波大学, 物質工学系, 教授 (10134206)
押山 淳 筑波大学, 物理学系, 教授 (80143361)
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キーワード | 電子励起 / 欠陥反応 / 準安定構造 / 非平衡物質 / 構造変化 / 緩和ダイナミックス / 第一原理計算 / 不純物・欠陥 |
研究概要 |
本総合研究は、平成7年10月末に追加採択として実施が決定したためスタートが遅れたが、分担者それぞれの個別的研究により、1年前の時点に比べて以下のような著しい進展があった。 ○s-p結合の変容 基底構造以外に凝縮系にはどのような準安定構造が存在するかが第一の問題である。s電子とp電子が結合を司る物質群において、予想以上の可能性があることが判明し、またそれらの間の相互関係も判り始めてきた。特に、不純物・欠陥における安定構造と配位数、原子の価数、局在電子数の間の関数が分かってきた。 ○アモルファス物質 a-Siなどのアモルファス物質は、結晶系では見られない不思議な現象が数多く見い出されていたが、これまでは乱れというフィルターに消されて、その機構はほとんど不明であった。最近、第一原理計算によってそれらの機構がかなり明らかになってきたとともに、結晶系との関係も見えてきた。 ○緩和のダイナミックス 基底状態の原子配置が電子励起状態では不安定となることによって、原子移動が生じるわけであるが、その後どのような緩和状態に行き着くかはそう簡単ではない。励起状態に対する緩和形態の選択性を明らかにすることは、原子・分子操作技術につながる。電子系と原子系のダイナミカルな振る舞いを扱うことのできる理論の枠組みについて大きな進展があった。 全体としての活動では、平成8年2月26、27日に第1回研究会を行い、「電子励起による新物質相の理論的探索」について討論を行った。今後、電子励起を用いて、どのような物性を目指してどのような物質のどのような新構造をどのような方法で作りだせるかについて活発な討論が行われた。また、分担者間の情報交換を活発化し、実験研究者との交流を深め総合研究としての研究活動を活発化するよう、今後の研究遂行の徹底を確認した。
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