研究分担者 |
松井 正典 九州大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90125097)
藤野 清志 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40116968)
末野 重穂 筑波大学, 地球科学系, 教授 (30110513)
飯石 一明 山口大学, 理学部, 教授 (60034716)
赤荻 正樹 学習院大学, 理学部, 教授 (30126560)
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研究概要 |
色々な地球科学現象は決して静的ではなく、それらを把握し理解するために、従来の静的な地質の構造のや組織の研究では充分でない.地殻やマントル鉱物の構造・組織の研究によって地球物理現象、流動現象や地震の発生、沈み込むスラブの運動など地殻・マントルのダイナミクスを理解を深めた.ダイヤモンドアンビル加圧装置に加熱装置を設置し装置を利用したり、高エネルギー研究所の放射光を利用してマルチアンビル高圧装置を用いて100GPaまでの高圧で更に2000℃以上の地球内部の再現実験を試み、体積弾性率や熱膨張率などの物性常数などももとめた. 地球内部物質が温度・圧力・応力・分圧・化学ポテンシャルの変化に伴って、転移・分解・融解・固体反応等の構造や組織の変化を明らかにした.また物質形成過程、元素や同位体の分布、分配、移動や、さらにこれらの変化過程に関して時間軸を考慮した運動論の議論を行なった.その過程を単に温度・圧力だけを関数にするばかりでなく、昇温や降温速度、時間変化、保持時間、応力や張力を変数にし、動的に捕らえて物質科学的観点から議論した.転移速度や見かけ上の活性化エネルギーを計算を行ない、転移の各素過程のメカニズムを明らかにした.マントル物質にかかる差応力による構造の変形,組織変化や転位密度変化を温度関数にした試料を電子顕微鏡や光学顕微鏡で観察し,原子配列の変化や原子の挙動を逐次観察することや、それら変化に伴う微視的な組織の変化を観察し、それらの運動機構やカイネティックスを研究も行なった. 一方原子の原子間二体ポテンシャルを与え,分子動力学計算を用いて高温高圧状態の構造のシミュレーションを行なった.これらによりマグマ中の液相からの結晶化過程,融解過程,固液界面の移動,圧力誘起非晶質転移,などのシミュレーションを行なった.
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