研究課題/領域番号 |
07304076
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 総合 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
海津 洋行 東京工業大学, 理学部, 教授 (20016140)
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研究分担者 |
森田 眞 成蹊大学, 工学部, 教授 (70054351)
大西 正義 長崎大学, 工学部, 助教授 (00039695)
山田 淳 九州大学, 工学部, 教授 (30136551)
大野 健 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10029697)
安積 徹 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90013490)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 配位化合物 / 光化学 / 光物理 / 光機能性材料 / 光触媒 / 電子移動 |
研究概要 |
この研究課題の主な目的は、21世紀に向けた物質創製と、その設計の新しい概念を確立することにある。配位化合物の光物性は機能性物質設計の骨格を成すものであり、機能物質設計の新しい概念を確立するためにどうすればよいか議論するため、配位化合物の光化学、光物理、光触媒反応、光機能性を研究している広い分野の研究者が集まって、これまでの研究成果とその背景および問題点の検討を行い、さらに近接した分野でそれぞれの分野の考え方・技術を共有するための研究会を行った。 今後ますます基礎的研究の重大性が増すこと、それに伴い基礎的分野の活性と基礎から応用まで含めた研究の交流とそれを実現するための体制を確立することの必要性が認識された。 研究成果の一部を次に示す。 固体中でのクロム(III)複錯体間のエネルギー移動において、キラルな錯体間の発光スペクトルとラセミ錯体間の発光スペクトルとを比較し、アルミニウム錯体希釈の系では、ラセミ錯体間でもキラル構造が観測され、キラル錯体間で見つけられた異常なスペクトル形状は三次元螺旋構造が原因であることを見いだした。また複錯体間の固相中のエネルギー移動および電子移動反応についても新しい知見が得られた。 オキソチタン(V)フタロシアニンがジクロロメタン-三クロロ酢酸中で安定であることを見いだし、オキソチタン(V)フタロシアニンの単分子層の生成に成功した。種々の分光学的測定の結果、特殊な分子配向をとっていることが分かった。また親媒性ポルフィリンメタルフリー化合物および亜鉛化合物が超薄膜を作り、薄膜中で特殊な分子会合体を作っていることが分光学的手法から明らかになった。 種々の配位化合物の光触媒反応について明らかにされた。例えば[Re(bpy)(CO)_3{P(OEt)_3}]^+はCO_2からCOへの選択的還元反応に非常に高い活性を示し、[CoH{PPh(OEt)_2}_4]は水素中でオレフィンの水素添加触媒として、また[Sb(V)TPP(OCH_3)_2]Brは水によるシクロヘキセンの酸素化の触媒として働くことが見いだされた。
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