研究分担者 |
柴田 誠一 東京大学, 原子核研究所, 助手 (80110708)
工藤 久昭 新潟大学, 理学部, 助教授 (30170004)
篠原 厚 名古屋大学, 理学部, 助手 (60183050)
桝本 和義 東北大学, 理学部, 助手 (60124624)
藤原 一郎 追手門学院大学, 経済学部, 教授 (60027125)
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研究概要 |
本研究は、年度後半に補助金交付決定を受けたが、各分担者において東大電子シンクロトロンとタンデム加速器(AMS用)、東北大電子ライナックとサイクロトロン、理研サイクロトロン、高エ研陽子シンクロトロン、放医研HIMAC、立教大原子炉の利用による核破砕、核分裂、フラグメンテーション及び関連の基礎諸実験が進行し、年度末に研究会を開いて、これまでの状況報告と次年度に向けての討議を行った。 先ず、坂本、藤原、柴田は、最大エネルギーE_o=400‐1000MeVの制動放射線照射により^<63+65>Cu,^<197>Au,^<209>Biの光核破砕を化学的に調べ、またCuの場合の生成核反跳飛程と放出粒子数の関係を調べた。桝本は300MeVライナックの250cm遮蔽コンクリート中の光核破砕の方向と深さ分布を、三頭は^<237>Npの光核分裂と^<197>Au(γ,xn)を用いる制動放射スペクトルの検証を試みた。また、関根は同ライナックとサイクロトロン及び立教大炉を利用して^<51>V,^<52>Cr,^<50>Crからの^<51>Crと^<197>Auからの^<196>Auと^<198>Auを例に反跳エネルギースペクトルの薄膜法による測定法を開発しつつある。他方、篠原はHIMACからの3.0及び4.8GeV^<12>CイオンによるAu,Cu及びNbの核破砕断面積をはじめて測定し、Cuでは39の生成核種の反跳飛跡を調べて、理研での結果と合わせて運動量移行のエネルギー依存性を検討している。また、高エ研PSからのπ^-中間子を用いたパイ中間子原子の化学を進行した。工藤による^<238>Uと^<232>Thの陽子誘起核分裂の研究は生成核異性体比測定から分裂時での角運動量移行の知見を得て分裂機構を探ろうとするものである。小林と永井は^<10>Be,^<14>C,^<26>Al,^<36>Cl,^<129>Iなど長寿命核の超高感度測定を目指して新しいAMSの整備と予備測定に入り、今村は^<14>N,^<16>O,^<39>K,^<40>Caの陽子及び中性子反応で生成する^<10>BeなどのAMSによる励起関数測定を開始した。 以上のように、各分担者は過去の蓄積に加えて特徴ある方向へ進みつつあり、一層の協力を行って、短期ながら次年度での大きな成果と将来に向けての発展を期する。
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